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健康コラム

くも膜下出血から奇跡の生還を果たし、リハビリを続けながら執筆活動を行うコラムニスト・神足裕司が日常をつづっていきます。

雨の日の話


東京は梅雨に入ったが晴天の日が多い。まだ水がめは大丈夫とのことなのでわが身体を思えばから梅雨でありがたい限りだ。

まず、自宅の構造上雨の日の外出は非常に困難だ。玄関を出て門までに13段の階段がある。もちろんそこには屋根など付いていない。晴れの日でもその階段は難所でリフトを使って車椅子ごと吊ってもらい上がり降りする。雨の日はそのリフトが使えないので、もしそれでも外出しなければならないなら人力で降ろしてもらう。3人がかりで車椅子ごとドスンドスンと一段ずつ降ろしてもらうかおぶってもらって外出したこともあった。しかも合羽を着たり大きな傘を差したり大騒ぎだ。

ボクみたいな身体の具合の人が雨の日に外出なんて普通はしないことなんだろう。世の中はそうできている。まあ、普段は雨が降ってしまえば毎週決まって外でしているリハビリもキャンセルする。食事もたいていの場合はキャンセル。この前は大切な葬式も断念した。ザーザーぶりの雨のなか合羽を着た車椅子とその付き添いも合羽を着て車椅子を押す。車の乗り降りもどのタイミングで合羽をきるか・・・想像しただけでも大変すぎて滑稽でお相手にも気を使わせて申し訳ない。どんなに気持ちがあっても名代を送るほうがよさそうだねってことになる。

それでも外出しなければならないときもある。梅雨時は途中で雨が降ってくる可能性だってある。そんな梅雨の時期は車椅子の後ろの小さなポケットに携帯用の雨用ポンチョを入れてある。100均製を二つ。もちろん車いす用ではないので膝ぐらいまでしか長さは無い。けれど、これにどれだけ助けられたか。急な雨には押してくれる家族用の合羽は必要なのだ。ボクは傘を差しても押す人は両手がふさがっているのでさせないから。100均のはコンパクトで携帯しやすくポンチョは頭からすぽっとかぶるだけなので大変便利である。

もう一つ雨のときに車椅子で便利なものは、ゴルフ用の大きな傘だ。車の乗り降りなど、介助してくれている人とボクも一緒に入れる大きさがある。車椅子やベビーカーに傘を取り付けるスタンドも1000円前後とわりと手ごろな値段で売っている。安全性は定かではないが車椅子で雨の日に外出しなければならない緊急事態に備えるのにはいいのではないかな。とりあえず、我が家ではポンチョとゴルフ用の傘は常にスタンバイ中。

ベビーカーのようにひさし付きの車椅子があればいいなと思う。ちょっとした雨除けと日差しよけに。そんなに車高が高かったら介助者が前が見えないかな?不便はいろいろのことを考えさせる。雨の日ももっとこんなものがあったらいいのに・・・といろいろ考える。車椅子でも外に出て行こう。それはボクの目標である。迷惑にならない程度に。


著者紹介

神足裕司(こうたり ゆうじ)

1957年8月10日、広島県広島市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代からライター活動を始め、1984年、渡辺和博との共著『金魂巻(キンコンカン)』がベストセラーに。コラムニストとして『恨ミシュラン』(週刊朝日)や『これは事件だ!』(週刊SPA!)などの人気連載を抱えながらテレビ、ラジオ、CM、映画など幅広い分野で活躍。2011年9月、重度くも膜下出血に倒れ、奇跡的に一命をとりとめる。現在、リハビリを続けながら執筆活動を再開。復帰後の著書に『一度、死んでみましたが』(集英社)、『父と息子の大闘病日記』(息子・祐太郎さんとの共著/扶桑社)、『生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた』(妻・明子さんとの共著/主婦の友社)がある。 朝日新聞月曜朝刊「コータリンは要介護5」連載中。

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