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健康コラム

くも膜下出血から奇跡の生還を果たし、リハビリを続けながら執筆活動を行うコラムニスト・神足裕司が日常をつづっていきます。

大地震


大阪で大地震が起きてしまった。日本のどこで色々な天災が起きてもおかしくないといわれている中、死者まで出す大きな地震だった。日本のいたるところにある火山だっていつ噴火するかわからないし、最近の集中豪雨は土砂災害の危険もある。
今回は通学途中の幼い命も奪ってしまった。心が痛む。

私たちの意識の中で23年前の阪神淡路大震災から、復興への取り組み方が見直された。ボランティアも復興住宅も大きく取り上げられるようになった。災害派遣医療チームもそのあと発足したし建築基準法も見直された。地震に対する備えも大きく取り上げられた。しかし、古い住宅などはそのままの状態で残っているし、個人の対策も数年したらおろそかになった。ボク自身も避難用のリュックなどを用意したものの今回のことで確認したら、中の乾パンも電池も期限切れのものだった。
こんな地震大国にいるのに過ぎてしまうと忘れそうになっている。

東日本大震災や新潟県中越地震など阪神淡路大震災以降に起きた災害にたいしては、阪神淡路大震災を教訓に色々なことが考えられ始めた。ボランティアのしかたや、物資も送り手側の押し売りでなく本当に必要な場所に必要なものをと、当たり前なことがようやく見直されたりもした。

ボクも福島や東北を何回も訪れた。
東日本大震災のときは少なからず東京や神奈川などでも被害がありガソリンや生活必需品も不足した。しばらくは、計画停電なども実施され我が家もちょうど夕飯時に停電なんてこともあった。

もっともっとたいへんなはずの現地の状況も伝えられてきた。
なので贅沢はいえないのだが、ほんのちょっとの停電で家中のほとんどの機能が麻痺した我が家もなかなかのサバイバルであった。20年以上ぶりに結婚式のキャンドルサービスのろうそくが納戸から出され使用した。輸送もなかば麻痺していたが、ボクは広島の知人や仕事仲間にまったく関東では買えなかった電池やカセットガスボンベを送ってもらって本当に助かった。

買いだめを防止する策をとっていてあまりそんなことをする人もいないように見受けたが色々なものが不足した。生野菜なんてものは地物以外ほとんどなかったが、それがなくても生きていけるというものはあきらめられた。

まずは水が飲める、ご飯が炊ける、トイレに行ける、そんなことができればと思う。いたるところで電気を使用しているのでガスコンロさえ停電では使用できなかったし、トイレだって手動に切り替える。広島から送ってもらったカセットコンロか、庭でキャンプ用の飯盒炊爨でもしなければ、と思っていた。ちょっとのことで麻痺してしまう都心を思い知った。

現地に出向けば紙おむつや粉ミルクが不足していることを知る。その頃はまだボクも健常だったので、障害を持った方がどんな不便を感じていたか知ろうともしていなかったが、幼い子供をもつ家族が泣き声などで肩身のせまい思いをされていることを知人の活動で知った。そういう方が気がねなく過ごせる避難場所もあまり無かった。

でも今回の地震では、SNSで「車椅子の方のトイレの誘導方法」であったり「ちいさなお子様がいる方の避難所」だったり「自宅で避難できない障害者の方のためのマニュアル」「高齢者に対する避難方法」だったりの情報が瞬時に拡散されていた。阪神淡路大震災ではまだまだだった支援が少しずつではあるが広がってきている。本当にありがたいことである。感謝したい。


著者紹介

神足裕司(こうたり ゆうじ)

1957年8月10日、広島県広島市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代からライター活動を始め、1984年、渡辺和博との共著『金魂巻(キンコンカン)』がベストセラーに。コラムニストとして『恨ミシュラン』(週刊朝日)や『これは事件だ!』(週刊SPA!)などの人気連載を抱えながらテレビ、ラジオ、CM、映画など幅広い分野で活躍。2011年9月、重度くも膜下出血に倒れ、奇跡的に一命をとりとめる。現在、リハビリを続けながら執筆活動を再開。復帰後の著書に『一度、死んでみましたが』(集英社)、『父と息子の大闘病日記』(息子・祐太郎さんとの共著/扶桑社)、『生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた』(妻・明子さんとの共著/主婦の友社)がある。 朝日新聞月曜朝刊「コータリンは要介護5」連載中。

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