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健康コラム

くも膜下出血から奇跡の生還を果たし、リハビリを続けながら執筆活動を行うコラムニスト・神足裕司が日常をつづっていきます。

国際福祉機器展 第1回


毎年恒例の国際福祉機器展に行ってきた。10月10日から12日まで東京ビッグサイトの東展示ホールを埋めつくす大規模な展示会だ。14カ国1地域の620を超える企業・団体が福祉機器を展示している。狙いを定めていなければもちろんすべてを見尽くすことはできない。今回は、最近こっているVR(バーチャルリアリティー)のものが福祉業界でどうなっているか見てみようとまず思っていた。

昨年は、1団体がリハビリに使用する風景にVRを用いていたところを見に行った。目標の距離を足漕ぎ車椅子に乗ってバーチャルな風景のなか歩いていく。ボクは左足が動かないが自転車のように足漕ぎになっているCOGYという車椅子は右足を動かすことによって自然と載せている左足も動く。改善の余地はあるかもしれないが今思えばなかなかのものだった。単純さとVRもそんなに高度なものではないのだがあれはどうなったかな?と今回も探した。残念ながら出展は無かったようだ。

そう、このように毎年来ておなじメーカーの進歩を拝見するのも福祉機器展の楽しみの一つである。

毎年見て回るものはやはり車椅子と介護ロボット、バーチャルリアリティーなどの福祉機器の最前線。

これは男心をくすぐる。昔は車のカタログを眺めて性能などを較べていたものだが、今では毎日の生活の出需品の車椅子などに目がいく。

もうこの4、5年ぐらい目が離せないでいるのがWHILL。2015年に横浜市にある産業共同研究センターの実験棟に初めて見に行ったとき衝撃を覚えた。まずはかっこいい。こんなにかっこいい車椅子は見たこともなかった。未来的なフォルムに一目ぼれした。

その前の年に発売されたWHILLはすべて予約の段階で完売したと聞いて価格も100万をちょっときるぐらい。重さも110キロあるというその車椅子が飛ぶように売れるのに驚いた。ボクだってほしいけれどちょっと住環境的にも不可能だなあと、はなからあきらめていた。いいものを見つけたのに手が届かない、そんな憧れの乗り物だった。

次の年の福祉用具機器展でWHILLが出ていた。「あ、WHILLだ」そう思っているとWHILLに乗って立ち上げメンバーのおひとりが「神足さん!」といって声をかけてくれた。彼がすいすい会場で乗っている姿は車椅子であって車椅子には見えなかった。未来の移動手段のように会場をすいすいと動いていた。「やっぱりかっこいいなあ」そう思った。

昨年はコマーシャルでもWHILLの姿をみるようになった。かっこいい未来の介護用品の代名詞のようになっていた。福祉用具機器展ではモーターショーで外車を展示しているような華々しい舞台の上にWHILLはいた。2世代のものに試乗したかったが人気がありすぎて近寄ることもできなかった。
昨年の国際福祉機器展の記事はこちら

そして今年、「WHILLが分解して持ち運べるようになったので車にも積める」と聞いていて、それなら我が家でも大丈夫かもしれないと会場でWHILLを探した。ブースに着くと見覚えのあるお顔があった。最初に横浜で取材したときの広報の方だった。「以前にもお乗りいただいていますから基本的なものはおわかりでしょうけれど」そうはおっしゃったが丁寧な説明をうけた。3年前とは違う。有名企業を退社してベンチャーを立ち上げたばかりだった彼もさらに未来を向いているだろうし。

今回のボクは、夢の機種ではなくて自分が実際乗ってみたい機種へと変わっていたから。(WHILLについては https://whill.jp/





2回も分解、組み立てもしてもらった。一番重いメインボディー部(後輪)で約20キロ。シート部14.5キロ、ドライブベース(前輪)14.5キロ、バッテリー2.8キロ。4つに分解できる。ブルートゥースで遠隔操作もできる。



WHILLの制御や状態の監視は通信で行なえる機能をもつ。しかも安価となった。ModelCは45万円。以前からある ModelAは99万5000円。他の違いは分解できるほか、Aタイプが4WD、重量116キロ、カラーバリエーション2色、パワフル、安定性、フィッティング性能に優れているのに対し、Cタイプは2WD、52キロ、カラーバリエーション8色(なんと、カープとコラボのものもある)などちょっと手を伸ばしてみようかと俄然思う感じになった。フォルムはAタイプのほうが好きだけど、軽量化にはしかたないだろう。

きっと近々我が家にやってくることになるであろうと福祉機器展で説明を聞きながら思った。

次回も福祉機器展で見たり聞いたりしたことをお伝えする予定です。


著者紹介

神足裕司(こうたり ゆうじ)

1957年8月10日、広島県広島市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代からライター活動を始め、1984年、渡辺和博との共著『金魂巻(キンコンカン)』がベストセラーに。コラムニストとして『恨ミシュラン』(週刊朝日)や『これは事件だ!』(週刊SPA!)などの人気連載を抱えながらテレビ、ラジオ、CM、映画など幅広い分野で活躍。2011年9月、重度くも膜下出血に倒れ、奇跡的に一命をとりとめる。現在、リハビリを続けながら執筆活動を再開。復帰後の著書に『一度、死んでみましたが』(集英社)、『父と息子の大闘病日記』(息子・祐太郎さんとの共著/扶桑社)、『生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた』(妻・明子さんとの共著/主婦の友社)がある。 朝日新聞月曜朝刊「コータリンは要介護5」連載中。

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