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健康コラム

くも膜下出血から奇跡の生還を果たし、リハビリを続けながら執筆活動を行うコラムニスト・神足裕司が日常をつづっていきます。

ラジオ


今年ももう終わる。今年は各地で災害がおこり広島でもかなりの被害があった。何日も停電が続いた。

この文明の進んだ世の中に慣れているボクたちはそういう生活にはめっぽう弱い。東日本大震災のとき長いあいだ停電したり、電気が通ったあとにも計画停電というこのうえない不安なときを送ったことを思い出した。「あなたの地域では午後6時から10時まで停電します」そんな通知を受ける。夕飯どきに運悪く計画停電にあたった我が家はカセットボンベのコンロにローソクなどを用意した。

コンビニや電気屋さんからは備えの電池が無くなった。ガソリンも1回10リッターしか入れられなくなった。しかも長蛇の列だ。が、隣の東京の23区では一度も計画停電なんて無かったときいた。

「どういう基準で決めているんだ」といぶかしく思ったものだった。「えらい人が住んでるところはでは計画停電ないらしいよ」そんなうわさまで流れた。

静岡まで行けばガソリン買えるらしいよとか、電池やカセットコンロのボンベなどいつまでたっても買えないものを広島から送ってもらったりした。あたりまえだが数十キロ離れた町では普通に生活している。

また数十キロ離れた町では避難しなければならないほどの悲惨な毎日を過ごしている。どんな状態なのかテレビやラジオから流れてくる情報だけではわからなかった。インターネットも勿論普及していたがこのたびの豪雨災害のときのように情報が良くも悪くもスピードが遅かった。

今回みていると「○○地域まだ停電中」とか「××から○○まで道路復旧していません」とか、寄付するものもどんなものが必要でどんなものは余っているなど被災地の情報がどんどん流れてきた。

なかにはデマなども流れていたと聞いたが、ちょっと前の災害のときとはちがってSNSが大きな役割を果たしたように思える。

携帯から手軽に情報も得られるし、無事も伝えられた。

テレビの見方だってここ数年で大幅に変わった。リアルタイムで流れている時間帯にそれを見ることが少なくなり、録画やインターネットテレビやケーブルテレビ。ニュースソースも多彩になった。

情報を自分で選んで自分の時間でみる時代になった。

刻々と変わっていくインターネットの世界とテレビの世界だが以前と変わらない存在感なのがボクにとってはラジオである。リアルタイムに生の声ですっと入ってくる。それが病院のベッドの上でも車の中でも被災地でも、スイッチをひねればそこにある。世の中が変わっていってもラジオはきっといつまでもボクの近くにあると思う。


著者紹介

神足裕司(こうたり ゆうじ)

1957年8月10日、広島県広島市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代からライター活動を始め、1984年、渡辺和博との共著『金魂巻(キンコンカン)』がベストセラーに。コラムニストとして『恨ミシュラン』(週刊朝日)や『これは事件だ!』(週刊SPA!)などの人気連載を抱えながらテレビ、ラジオ、CM、映画など幅広い分野で活躍。2011年9月、重度くも膜下出血に倒れ、奇跡的に一命をとりとめる。現在、リハビリを続けながら執筆活動を再開。復帰後の著書に『一度、死んでみましたが』(集英社)、『父と息子の大闘病日記』(息子・祐太郎さんとの共著/扶桑社)、『生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた』(妻・明子さんとの共著/主婦の友社)がある。 朝日新聞月曜朝刊「コータリンは要介護5」連載中。

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