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健康コラム

くも膜下出血から奇跡の生還を果たし、リハビリを続けながら執筆活動を行うコラムニスト・神足裕司が日常をつづっていきます。

病院通い


ただいま入院中である。今回は、前回の吐血の緊急入院の検査で発見された胆管の中の物質を取り除くためだ。

そして、先日の吐血の原因であるひどい逆流性食道炎のため血管をクリップで止血するという胃の治療がうまくいっているか確認のための胃カメラを撮った。ふたつの違う病気治療を同時進行で行なってもらっているかたちになる。

今回は同じ大学病院の中の同じ消化器内科での病気であったにもかかわらず、最初の病気(逆流性食道炎)で入院している時に発見された胆管の中の腫瘍を「いま引き続き胆管の治療ができないのですか?」と聞くと「逆流性食道炎で入院しているので違う病気は一度にできないんですよ」と医師に言われた。

「また改めて入院して頂いて手術になります。チームも違うので」さらに、「一ヵ月ぐらいたったら今回の逆流性食道炎の経過を見るために胃カメラもとります。外来にいらしてください」。

妻は「一ヵ月後に新しく発見された胆管のも手術するんですよね?そのときにやっていただくことはできないのですか?」そう言った。

担当の医師は「ん~~~できないんですよね」そう言っていたけれど「ちょっと頼んでみます」といって出ていった。

夜、病室にやってきて「同時にできることになりました」とボクに話した。まだ数年目であろう医師の彼には無理をさせてしまったなと申し訳なく思ったが、かなりホッとした。救急車で運ばれてきた一見様のボクがわがままを言うのも申し訳ないが、病院通いというのは本当に大変だ。

普通の歩ける人の病院通いだって本当の一日がかりで大変なことだけど、ボクが行くためには少なくとも妻は仕事もできず、ボクのトイレ事情や交通手段はどうするか・・・長い時間座ったままになるのでどんどん体位の保持ができなくなるなどなど、問題は山積だ。

だから一回でも少ないほうがありがたい。
先生の「いいですよ」がどれだけありがたかったか。でも残念ながらこの担当の医師とは意思の疎通らしきものはできずに退院した。

不安が不安を呼んだ。「どうしよう、この病院でいいんだろうか?」そう悩んだ。で、今回新しいチームの新しい医師と対面した。はきはきとして感じがいい。しっかり説明もしてくれる。この医師は患者の不安をきちんと理解して説明できる医師なんだなあと思った。

彼にとっては一日数回同じような病状の患者さんと向きあい同じような説明を今までに何百回したことだろう。専門性が強くなっている昨今、毎日毎日同じような、でも患者にとっては「オンリーワン」のことを話す。妻が「彼の説明の内臓の話がとっても上手だったもの」そう言った。

そして、彼に妻が聞いた。
「あの、先生が担当でないとはうかがっていますが、先日の胃カメラの結果は・・・うかがうことできますか?」と恐る恐る。

「先日の施術はきれいについていました。
ただ、また新しい腫瘍が発見されまして・・・胃がんの可能性がありますので生検に出しました」

立派な先生だ。
いい先生になるだろうなあと病院通いのプロのボクは思うのだ。
しかしながら、おお、またか!!!!

「また担当の先生かわるんですよね?」
「そうなんですよ、すみません」

エンドレスに続く・・・・・・・
こんなに大変な病院通いは病気の人には無理って思います。
ぜひぜひ健康にはお気をつけて。


著者紹介

神足裕司(こうたり ゆうじ)

1957年8月10日、広島県広島市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代からライター活動を始め、1984年、渡辺和博との共著『金魂巻(キンコンカン)』がベストセラーに。コラムニストとして『恨ミシュラン』(週刊朝日)や『これは事件だ!』(週刊SPA!)などの人気連載を抱えながらテレビ、ラジオ、CM、映画など幅広い分野で活躍。2011年9月、重度くも膜下出血に倒れ、奇跡的に一命をとりとめる。現在、リハビリを続けながら執筆活動を再開。復帰後の著書に『一度、死んでみましたが』(集英社)、『父と息子の大闘病日記』(息子・祐太郎さんとの共著/扶桑社)、『生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた』(妻・明子さんとの共著/主婦の友社)がある。 朝日新聞月曜朝刊「コータリンは要介護5」連載中。

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