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こころとからだ

うつ症状と栄養の関係について


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放送日

放送:2016年4月6日(水)
ゲスト:心療内科クリニック リュミエール 片山真一医師
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、2016年4月から隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
第1回目のテーマは、心の病気「うつ」。うつ症状と栄養の関係について、心療内科クリニック リュミエール 片山真一院長」にお話をうかがいました。


今回のポイント

  1. どうして「うつ」になるの?
  2. 「うつ」は薬で治すしかないの?
  3. 「うつ」を食事で改善するポイントは?

うつ病とは

うつ病という病気は、気分の落ち込み、いらいらする、集中力・意欲の低下などの精神症状や頭痛、倦怠感、不眠などの身体症状が一定期間(2週間)以上存在する場合をいいます。
厚生労働省の患者調査では平成26年の うつ病患者総数は約73万人でした。例えば平成14年では約44万人でしたから、12年間で約1.7倍に増えていることになります。

うつ病の原因は?

うつ病はその原因が、まだわからないことが多い病気です。
ただ、その人が元々持っている性格や、家庭や職場・学校などの環境ストレス要因、あるいは慢性的な疲労やホルモンバランスの変化(→甲状腺、月経の前後、出産後、更年期、薬剤の副作用など)などの身体ストレス要因が重なって発病すると考えられています。
一方で、脳の中には情報を伝達するためにさまざまな神経伝達物質(→モノアミン:セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)が働いているのですが、うつ状態は、脳内の神経伝達物質の働きが低下した状態であるとも考えられています。

しずえ
うつになりやすい性格があるんですか?
ドクター
うつになりやすいのは仕事熱心、几帳面、責任感がとても強い人など執着気質のタイプ。 また、気を遣いすぎる人、嫌と言えない人、秩序を重んじる人もうつになりやすいようです。 逆に、人づきあいが良く、朗らかでユーモアに富む人は、うつになりにくいようです。
神経伝達物質の種類と役割
  • セロトニン:ドーパミンとノルアドレナリンのバランスをほどよく保って、これらの物質の暴走を抑える働きを持っている。セロトニンがキチンと働いていれば、感情のコントロールがしやすくなり、多少のストレスがあっても、イライラする、キレる、と言うことは起こりにくくなる。些細なことに振り回されず、平常心を保つことで得られる穏やかな幸福感。
  • ノルアドレナリン:不快感や怒りを感じる神経伝達物質をもたらす「不快」の神経。痛みなどのストレスや危険をいち早くキャッチして、脳全体に警報を発する働きを持つ。その結果、不安や怒り、恐怖を覚えるのだが、この反応は私たちの命が危険にさらされるのを防ぐためのものである。この物質には高い集中力を維持し、仕事などの能率を上げる効果もある。
  • ドーパミン:快感や喜びをもたらし、やる気を高めてくれる一方、過剰になると自分を抑制しにくくなる。「報酬(=ターゲット)」という「快」を求め私たちに努力させる脳内物質。やる気をもたらして向上心を生むと言う意味では、非常に重要な物質なのだが、一つの「快」が得られるとまた次の「快」を求めさせ、結果、求める「快」を肥大化させると言う欠点がある。

食事によってうつ症状は改善するか

改善は可能です。
例えば、神経伝達物質の機能を補うものとして必要な鉄や亜鉛、マグネシウム、ビタミンB群などミネラルやビタミン類の不足が存在する場合は、それが原因で、神経伝達物質が正常に働かないため、うつ症状がみられている可能性があります。
また糖分の摂りすぎが原因で、「低血糖症」という、うつ病に似た症状の別の病気になることがあります。この場合は、症状は似ていてもうつ病ではないので 抗うつ薬は効果がありません。
これらの場合は、食事の摂り方を改善することでうつ症状が改善する可能性があります。

食事はどのようなことに気をつければいい?

白米などの炭水化物は腸で消化分解されブドウ糖として吸収され、各細胞に運ばれると、筋肉や臓器のエネルギーとして使われます。
血中に含まれるブドウ糖の濃度を血糖値と呼んでいるのですが、白米の場合は吸収されるまでの時間がかなりあるので血糖値の上がり方は、比較的ゆっくりになります。
ところが、現代の食生活では、精製糖という吸収されやすい糖を過剰摂取している人が多く、血糖値が急上昇してしまいます。
本来、人間にはこの血糖値を一定に保つような機能が存在しているのですが、急激な血糖値の上昇変化に対して、血糖値を下げるために膵臓からインスリンを過剰に分泌します。すると今度は血糖値が異常に低くなります。急激に下がった血糖値に対して、生命の危機状態と感知して、今度は上昇させるためアドレナリン等が(副腎髄質から)多量に分泌されます。
この血糖値の乱高下やホルモンバランスの急激な変化で、倦怠感や不安感、イライラなどうつ病に似た症状がみられるのが「低血糖症」です。

博士
もしかして、低血糖症かな・・・という自覚症状のようなものってありますか?
ドクター
そうですね、食習慣としては
  • ・甘い物、スナック菓子、清涼飲料水をほぼ毎日摂る
  • ・夜中に空腹で目が覚めて、なにかを食べることがある
といった習慣がある方は注意が必要ですね。
ドクター
また、症状としては、
  • ・体重が増えてきた、または痩せにくくなった
  • ・イライラや不安感が強かったり、頭痛、動悸、しびれなどの症状があり それが甘い物を摂ることでよくなったことがある

といった方は、精製糖の摂りすぎによる「低血糖症」の可能性があります。

(出典:溝口徹著「脳から「うつ」が消える食事」、青春出版社 を参照)

適切な糖類の取り方は?

低血糖症の原因の一つが糖分の急激な過剰摂取です。ですので、その糖類をゆっくりと吸収するような食事の工夫をすることで予防や症状の改善が期待されます。
もちろん、清涼飲料水やスナック菓子などを控えることも大切ですが、普段の食事でも、野菜や肉魚などのタンパク質を食べた後、ご飯などの炭水化物を摂ることで血糖値の急激な上昇は防げます。料理にオリーブオイルを使うことも有効です。
また、食品によって血糖値の上昇度合は異なっていて、白米やパンより、玄米やそばの方が血糖値は急激な上昇がしにくいことが分かっています。
その指標となるものにGI値(glycemic index血糖値上昇指数)というものがあります。
GI値とは、ブドウ糖を摂取した時の血糖値上昇速度を100として、相対的に表されていて、GI値の低いものが血糖値の変動が少ないことになります。
精白・精製されていない食品の方が、食物繊維やミネラルが残っているためGI値は低くなります。
例えば、同じ野菜でもニンジン、カボチャより、レタスなどの葉物野菜やキノコ類がGI値が低く、血糖値の上昇が穏やかです。
こういったことを意識して食事なさることをおすすめします。

しずえ
うつ症状については、まだまだたくさんお伺いしたいことがあります。これからも片山先生、 定期的にお話を聞かせてください。ありがとうございました。

まとめ

  1. 食事によって改善されるうつ症状がある。
  2. 血糖値を急激に上げないよう食事で工夫することが大事。
  3. なるべくGI値の低いものを食べるようにすると、血糖値の上昇が穏やかになる。

関連タグ:ラジオ おひるーな 低血糖 血糖値 うつ 心療内科 片山先生 

ドクターデータ

片山 真一(かたやましんいち) 医師

心療内科クリニック リュミエール 院長。
おひるーなクリニックの偶数月第1水曜日担当ドクター。

施設名心療内科クリニック リュミエール
住所広島市中区西白島町20-15 メディカルプラザ西白島1F
電話082-212-2000
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