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世界アルツハイマーデー記念講演 in 福山基調講演

「認知症の人と家族の付き合い方」(主催:広島県)

「オレンジリング週間」(認知症理解促進強化週間)

広島県では、9月21日の世界アルツハイマーデーにちなんで、9月21日を起点とした1週間を「オレンジリング週間」(認知症理解促進強化週間)とし、市町等と連携して様々な普及啓発の取り組みをしています。その一環として、2014年9月18日(木)、県民文化センターふくやまにて『世界アルツハイマーデー記念講演会 in 福山』が開催されました。岡山県笠岡市のきのこエスポワール病院 佐々木 健 院長による基調講演「認知症の人と家族の付き合い方」をはじめ、若年性認知症の家族介護体験談など、多様なテーマで講演が行われ、約250名が聴講しました。その中で、佐々木医師による講演内容をご紹介します。

認知症専門病院 30年の経験をふまえて


佐々木 健医師は、1984年に岡山県笠岡市に認知症専門病院「きのこエスポワール病院」を開設し、今年30周年を迎えます。30年前は「認知症」という言葉もなく、どのようにケアしていいかもわからない状態でした。様々な失敗、努力、経験を積む中で悩み、海外視察などを通して考え方を大幅に変え、病院内を改革し、今ではずいぶん認知症の方の症状が改善されたそうです。その経験を踏まえ、認知症の方と家族がどう関わったらいいのか、お話しされました。

30年前の認知症ケア

佐々木医師

「30年前の日本には、65歳以上の老人人口は約1000万人、そのうち認知症の方は50~60万人いました。認知症患者の行動の主なものとして、①徘徊、②弄便(ろうべん)、③異食(食べられないものを食べる)が挙げられますが、当時はその行動を「困った行動、防ぐべき行為」として患者を拘束したり、行動を制限したりしていました。私が開設した「きのこエスポワール病院」では、拘束などをせず自由放任ケアを採っていたため、院内は徘徊したり、廊下で排尿したりする患者で混乱していました。当時は、認知症の方を病気の塊としてとらえていたため、向精神薬を使って病気をコントロールしようとしていました。認知症の方の症状は、どんどん悪くなってきました。

やはり薬でコントロールするのは良くないと感じ、薬をやめて訓練によって症状を改善しようとしました。リハビリテーションやアクティビティ、レクレーションといったことをたくさん取り入れて、認知症の症状を訓練によって改善しようとしたんのです。しかし、これも今一つで、症状が大きく改善することはありませんでした。」

1995年のスウェーデン視察

「1995年に、スウェーデンに視察に行きました。スウェーデンの認知症の方を見た時、驚きました。認知症患者に見えないのです。日本では、当時認知症の方は特殊な服を着て、徘徊したり奇妙な行動を取っているのですぐわかります。しかし、スウェーデンの認知症の方は、普通の服を着て、認知症でない普通の方とおしゃべりをしたりしている。私は最初、重度の認知症患者を隠しているのではないか?と思ったほどです。

私は、スウェーデンの方に聞きました。『スウェーデンには、徘徊する人はいないのですか?』すると『いますよ。でも、何をしたいか聞いたり、一緒に散歩したり、お茶を飲んだりしてたら、徘徊しなくて済むんじゃないですか』と言われたのです。とても驚きました。スウェーデンでは、“認知症の人が病気を持ちながらも、健常者とともに自分の生活を続けていく”ということに重点を置いているということに気が付きました。」

動画① 「1995年 スウェーデンの認知症ケア」


病院内の大改革

「スウェーデンの視察を経て、我々は考え方を大きく変えなければならないと気づきました。まず行ったのは、病院内の改革です。認知症の方の症状を抑えるのではなく、病気を持ちながらも生活をするということを目指す環境を考えました。

それまでは、病院内は飾りもなく殺風景でした。自由に徘徊できるように回廊式の廊下があり、15人の職員が交代で20~30人の認知症の方を見ていました。日常生活にはありえない光景です。

病院内にユニットという単位の小さな空間を作り、その中に家のようにキッチンや居間を作りました。職員を固定制にして5人で約10人を見るという体制を作りました。すると、職員は一人が20~30人を見ていたのが10人を見るだけで良くなったので、一人一人をよく知るようになりました。すると、認知症の方にとってみると、自分のことをよく知ってくれている人がいつもいるので、とても安心するのです。これで多くの方の症状がずいぶん良くなりました。」

動画② 「病院内の大改革」


認知症の人” から “認知症の”へ

「これらの経験から、認知症というのは脳の病気というだけでなく、個性や人生歴、体調や環境、社会心理といった複雑な要素をもった“状態”であるとわかりました。認知症を病気の塊としてではなく、人の“状態”だと思ってみると、支離滅裂に見える認知症の行動についても実はその人にとっては支離滅裂ではなく、ちゃんとした理由があるということもわかりました。

100人いれば、100通りの徘徊があり、その人なりの理由があるのです。それは、「その場にいたくない」「居場所がない」「手持ち無沙汰」などいろいろなのですが、その人なりの理由なので聞いてあげないと分からないのです。

ご家族にお願いしたいのは、「病人」中心のケアから「人間」中心のケアに心を向けてほしいということです。“認知症の人”ではなく“認知症の”として見てあげてほしいですね。」

動画③ 「認知症の人が望む5つの花びら」



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