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インフルエンザにまつわるウソ・ホント


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放送日

放送:2016年10月19日(水)
ゲスト:津谷内科呼吸器科クリニック 理事長 津谷隆史 先生
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


みなさんは毎年予防接種を受けておられますか? インフルエンザにまつわる
ウソ?ホント?と題して、正しい情報をわかりやすく教えていただこうと思います。
津谷内科呼吸器科クリニック 理事長 津谷隆史 先生にお話をうかがいました。


今回のポイント

  1. インフルエンザの歴史
  2. 予防接種は受けた方がいいの?
  3. 予防方法は?

インフルエンザにも歴史があると聞きました。昔からあるものでしょうか?

紀元前から存在していたと思われます。ヒポクラテスの時代の頃の文献に「突如として発生して瞬く間に広がり、数カ月のうちに消えていく、咳と高熱の流行性疾患」として記録が残っています。16世紀のイタリアの占星家たちはこれを星や寒気の影響(influenza=influence)によるものと考えていたようです。

日本では、平安時代、後鳥羽天皇とか後醍醐天皇の頃の時代の歴史物語「増鏡」に「“しはぶき(咳)やみ”はやりて、⼈多く失せたまふ・・・」という記載があります。
江戸時代、享保元年(1716年): 江⼾では熱病のため8万余⼈が1カ⽉に間に死亡。また1784(天明4)年,天明飢饉+悪性⾵邪流⾏で死者数3万⼈という記録があります。ちょうどこのとき、天下の横綱⾕⾵(たにかぜ)も、悪性⾵邪にかかり本場所を休んでしまいました。
「⾕⾵もやられたはやりかぜ」
江⼾時代の⼈々ははやりかぜがくると「たにかぜ」と呼んだと書かれています。

歴史の中で記録に残っているほど、大きな流行があったのですね?

科学的に立証されたのは1900年頃になります。
過去100年の間に世界的に4度の大流行(パンデミック)を人類は経験しています。
20世紀に入って以降、1918-19年スペインかぜ、1957-58年のアジアインフルエンザ、1968-69年の香港インフルエンザと3回のパンデミックが記録されています。1917年~1919年(第一次世界大戦中)にかけて大流行した「スペインかぜ」では、全世界で6億人が感染し、死者は2000万人以上と言われていいます。日本でも人口の約半数が罹患し、約 40万人が死亡したと言われています。

当時は抗生物質は発見されていなかったし、有効なワクチンなどは論外であり、インフルエンザウイルスが始めて分離されるのは、1933年まで待たねばなりませんでした。

予防接種,ワクチンはいつころから作られたのですか。

インフルエンザのワクチンを作ろうという動きは、1919年のスペイン風邪の流行の後くらいに始まりました。1919年3月9日の大阪毎日新聞は「感冒ワクチン」製造を当時の北里研究所が着手したと報道しています。インフルエンザの原因がウイルスだということは当時はまだわかってなくて、それがわかったのは1933年ですから、当時インフルエンザの原因だろうと思われていた細菌に対するワクチンが作られたのです。

1914年に北里柴三郎が創立した「伝染病研究所」が、内務省所管から文部省に移管され東京帝国大学に設置されました。これに北里先生は移管措置に不服で研究所を退職、自分で「北里研究所」を創立しました。
この2つが流行性感冒の病因論で対立します。インフルエンザ菌説とインフルエンザウイルス説です。
患者から特定の菌が多く検出されたため、北里氏は「インフルエンザ菌」と主張。のちにこれはウイルスから2次感染したバクテリア菌であったことがわかりました。
この研究論争の末、1933年にインフルエンザウイルスが原因だということがわかったのです。

しずえ
インフルエンザの原因が特定されて、ワクチンが作られたのは、意外と最近なんですね。
ドクター
そうですね。人類とインフルエンザの戦いの歴史は長いですが、対処法が生まれたのはごく最近です。

最近でも新型インフルエンザが発生しました。最初はワクチンが無いわけですよね。

インフルエンザウイルスは、よくモデルチェンジをするのですが、大きくモデルチェンジした場合(つまり新型インフルエンザが登場した場合)はそれまでのワクチンが効かなくなります。そういう時に、パンデミック(大流行)が起こります。

最近の新型インフルエンザは、2009年にウイルスが流行した時に人々が免疫を持っていなかったため秋季を中心に大規模な流行が発生し、北米・中米では多くの方が亡くなりました。

また鳥インフルエンザは鳥の間でしか感染しないウイルスでしたが、モデルチェンジが起こって鳥から人へ、人から人へ感染するウイルスに変異しました。

ウイルスの突然変異は「いつ来るかはわからないが、いつかは必ず来る」というのが定説になっており、もし来た場合には大きな被害が予想されます。パンデミックへの準備は、台風や地震、津波、などの自然災害、あるいはバイオテロなどの人為的災害への準備などと、いかに人々の生命を守るかということにおいて同じものです。危機管理の視点から準備必要です。

新型インフルエンザ等対策特別措置法(インフルエンザ特措法)
  • 平成24年施行。
  • 大流行が予想されるウイルスが入ってきた時に備えたガイドラインを行政が作成する。
  • ワクチン投与の順序、緊急事態宣言、外出自粛要請、集会所の利用制限などを行政が決めることができる。

では季節型のインフルエンザについて、予防接種などの対応について教えてください。

インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行が予測されるウイルスに合わせて製造されています。このため、インフルエンザの予防に充分な免疫を保つためには毎年インフルエンザワクチンの接種を受けた方がいいんです。種類は、

  • A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
  • A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
  • B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
  • B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

の4種類。
インフルエンザワクチンは、感染後に発病する可能性を低減させる効果と、インフルエンザにかかった場合の重症化防止(インフルエンザ感染により基礎疾患、高齢者は死亡例もある)の効果が期待できます。

タイミングとしては、いつ接種するのがいいのでしょうか?あまり早すぎると、早く切れてしまいますか?

だいたい5ヶ月くらいは効果が持続します。12月中旬までにはうちましょう。
受験生の方は、早めに打っておく方がいいですね。

「2回打つと効果があがる」というのは、「ウソ」・「ホント」?

1回でもOKですが、2回だとより効果があります。

予防接種をしても、かかってしまう可能性がある・・・「ウソ」・「ホント」?

かかってしまう可能性はあります。しかし、かかったとしても重症化を防ぐことができますので、無駄ということではありません。

インフルエンザのワクチンが今年は不足するかも・・・「ウソ」・「ホント」?

大丈夫です。ただ、熊本地震の影響で、熊本に工場があり生産が追いつかないと言われましたが、おそらく大丈夫だと思います。

最後に、予防接種以外に、インフルエンザにかからない予防を教えてください。

  • 飛沫感染対策としての咳エチケット
  • 外出後の手洗い等。流水・石鹸による手洗い。インフルエンザに限らず接触感染を感染経路とする感染症対策の基本。ドアノブ、キーボード、携帯パネルタッチなど。
  • 適度な湿度の保持。空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなる。乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的。
  • 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取。体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。禁煙!!
  • 人混みや繁華街への外出を控える

まとめ

  1. インフルエンザは紀元前から記述があり、長い間人類が戦ってきたもの。
  2. ワクチンは、2回打つとより効果がある。
  3. 手洗い、湿度管理などをしっかり行えば、かなり予防効果がある。

関連タグ:インフルエンザ ウイルス 風邪 内科・呼吸器科 津谷先生 

ドクターデータ

津谷 隆史(つや たかふみ) 医師

津谷内科呼吸器科クリニック 理事長。
おひるーなクリニック偶数月第3水曜日を担当。

施設名津谷内科呼吸器科クリニック
住所広島市東区牛田早稲田一丁目6-3
電話082-221-5463
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