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足関節の捻挫


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放送日

放送:2016年11月16日(水)
ゲスト:マツダ病院 奥平信義 院長
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
今回のテーマは、「ねん挫」。サンフレッチェ広島のチームドクターをお勤めでもある、マツダ病院 奥平信義 院長先生にお話をうかがいます。


今回のポイント

  1. ねん挫って、何?
  2. ねん挫したら、冷やした方がいい?温めた方がいい?
  3. 病院に行くのはどんな時?

足が「ぐきっ」となるのがねんざ、というイメージですが、まず、ねんざとは医学的にきちんと言うと、どういうものでしょう?

捻挫とは、関節の可動範囲を超えて負荷がかかり、関節を支持している靱帯や関節包が損傷することを言い、あらゆる関節に起こりうる可能性があります。
例えば突き指は指の捻挫、ぎっくり腰やムチウチは腰や頸椎の捻挫です。
その中で、スポーツ外傷や日常生活の中で最も多いのが足関節(足首)の捻挫です。

では、最も多い足首のねんざ、原因はどのような形で起きるのでしょう?

足関節(足首)の捻挫は、足首を内側か外側の方向に、不自然な形で強くひねることで起きます。通常は足首を内側にひねって生じることが多く、外側に捻って起きる捻挫はよほどの強い力が加わらない限り起きることはありません。しかし、もし起きて腫れや痛みが尋常でない場合は重症な場合が多いので、すぐに病院を受診することが必要です。

ねんざはヒドイと痛いですよね。軽いものだと自然に治ると思うのですが、医学的に軽度から重症まで、症状の目安はあるのでしょうか?

通常の捻挫であれば、足関節外側の靱帯を損傷しますので、外側のくるぶしの前や下に痛みや圧痛があり、腫れを生じます。この時、損傷の程度によって重症度を3段階に分けます。

  • 1度の捻挫は軽症で、足をちょっと捻った感じで、殆ど腫れもなく、内出血もありません。足首に多少痛みを感じるが、そのまま歩き続けることが出来ます。靱帯がやや伸びている状態です。
  • 2度の捻挫は中等度で、足首の外側が腫れて、内出血を認め、痛みが強く、歩くのに足を引きずる感じで、普通に体重をかけて歩くのが難しい状態です。靱帯の一部が断裂している可能性があります。
  • 3度の捻挫は重症で、かなり強い負荷が足首にかかった時に起こります。すぐに腫れはじめ、内出血があり、痛くて足をついて歩くことが出来ない状態になります。ひどい時は足首がぐらぐらする感じのあることもあります。靱帯が完全に断裂した状態で、骨折や脱臼等の可能性もあり、病院でのレントゲン検査の必要があります。

「ほっとったら治る」と思ってそのままにしておいたら「なんで早く来んかったん」ねんざは病院に行って受診すべきかどうか、悩むケースが多いと思うのですが・・・。

症状の程度にもよりますが、病院に行くかどうか迷われることが多いと思います。そこで次のような症状がある場合は病院受診を受診し、骨折や靱帯損傷があるかどうか診断してもらうことが大切です。

  • 患部が大きく腫れ、歩けないほど痛い場合
  • 関節がグラグラして不安定な場合
  • 1~2週間たっても痛みが続くとき
  • スポーツ選手

ねんざしたときの応急処置を教えてください。冷やしたほうがいいのか、温めた方がいいのか・・・?

捻挫をしたときに最も大切な応急処置にRICE処置というものがあります。
あらゆるスポーツ外傷の原則です。

  • RRest、安静
  • IIcing、冷却
  • CCompression、圧迫
  • EElevation、挙上

で、頭文字をとってRICEと呼びます。

RICE処置は痛みや腫れがひどくなるのを防ぎ、治りを早くする「応急処置」であり、「治療」ではありません。しかし、RICE処置を損傷直後に適切に行うことで治癒を早め、競技や生活への復帰を早めることが出来ます。

  1. まず、ケガをしたところを安静に保ちます。無理に体重をかけて歩いたりするとケガが悪化することがあります。
  2. 次に氷や保冷剤を利用して患部を冷やします。15~20分程度氷を当てていると無感覚になりますので、いったん冷やすのを止めます。再び痛みが出てきたらまた冷やします。これを1~2日間行います。ただ、冷やし過ぎると凍傷になることがありますので、氷を直接当てずにタオルなどを巻いてからあてるようにした方がよいでしょう。
  3. この時、包帯やテーピングなどで患部を圧迫しながら巻きます。ただし、あまり強く圧迫すると循環が悪くなりますので、足の指の色や感覚をよくチェックしてください。指の色が悪くなったり、シビレがでたら、いったんゆるめて巻き直してください。
  4. そして、患部を出来るだけ自分の心臓よりも高いところに持ち上げます。こうすることで腫れや内出血を防ぎ、痛みも軽くなります。
しずえ
なるほど。ねん挫の場合は冷やす方がいいんですね。
ドクター
この応急処置が適切であれば、治療もしやすく治りも早いんですよ。

では治療方法を教えてください。

重症度に応じて治療をしますが、治療の第一歩はRICEです。この応急処置がしっかりできるかどうかで予後が決まるといっても過言ではないと思います。
その後、2~3日は炎症が治まるまで安静にし、包帯やサポーター、テーピングなどで2週間程度固定し、関節の運動を制限することが重要です。
2~4週間で痛みや腫れがなくなれば、かかと上げやゴムチューブなどを使ったリハビリで、足首の外側を走っている腓骨筋群を鍛えてやればベストです。
大切なことは、重症のケガという自己判断がなく、ついつい無理をしてしまい、その結果関節内に2次的な損傷を引き起こし、変形性関節症といった状態に至ることもありますので注意が必要です。

ねんざしない、予防を教えてください。

  • 運動前には必ずウォーミングアップをする
  • サポーターやテーピングを使って、足首や指などの捻挫を予防する。柔道選手が指にテープを巻いているのは、突き指等の予防だと思います。
日常生活での予防としては、
  • ストレッチや運動などで筋肉や関節を動かし、関節の可動範囲を広げておくこと
  • 普段よりバランス感覚を養う

寒くなると古傷が痛むとよく言いますが?

寒くなると血行が悪くなるのが原因だと思います。寒さによって血行が悪くなると、周辺の筋肉が硬くなり、関節の動きも悪くなります。以前捻挫した関節には何らかの後遺症が残っていると思われるところへ、いつも以上に大きな負担がかかりやすくなるため痛みを生じるのではないかと思います。

まとめ

  1. 捻挫とは、関節の可動範囲を超えて負荷がかかり、関節を支持している靱帯や関節包が損傷することを言い、あらゆる関節に起こりうる可能性がある
  2. ねん挫した時は、応急処置として「RICE処置」をおこなう
  3. 腫れと痛みが大きい時は、病院へ(自己診断しない)

関連タグ:健康管理 ねん挫 整形外科 奥平先生 

ドクターデータ

奥平信義(おくひらのぶよし) 医師

マツダ病院 院長。 専門は整形外科で、「サンフレッチェ広島」のチームドクターを務める。
奇数月第3水曜日の「おひるーなクリニック」担当ドクター。

施設名マツダ病院
住所広島県安芸郡府中町青崎南2-15
電話082-565-5000(代表24時間対応)
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