文字サイズ
  • 文字サイズ大
  • 文字サイズ小

ぎっくり腰


放送を聴く

放送日

放送:2017年1月18日(水)
ゲスト:マツダ病院 奥平信義 院長
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
今回のテーマは、「ぎっくり腰」。サンフレッチェ広島のチームドクターをお勤めでもある、マツダ病院 奥平信義 院長先生にお話をうかがいます。


今回のポイント

  1. ぎっくり腰とは、何?
  2. ぎっくり腰になったら、どうしたらいい?
  3. 予防策は?

ぎっくり腰、医学的にはちがう呼び方があるのでしょうか?

ぎっくり腰は急性腰痛症の俗称で、あくまでも症状を表している言葉で病名ではありません。地方によっては「びっくり腰」とも呼ばれ、欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれています。
腰痛は国民病といわれるほど多くの人が経験するものですが、症状は様々で、なかなか原因の特定が困難な病気です。その中で、今日お話しする「ぎっくり腰」は、あくまで急性に発する腰の痛みを言い、いつ痛めたのか、いつから痛いのかが明確なのが特徴です。

一般的にはどんな時に起きるのですか?

重い荷物を持ち上げた時にギクっとなるイメージが大きいと思いますが、それ以外にも落ちていたものを何気なく取ろうとしたり、洗面するときに前かがみになった時など、ちょっとした動作で発症することもあります。

どんな症状が起きるのですか?

症状は様々ですが、最も特徴的なのは突然の激痛で身動きできなくなる症状で、
よくテレビなどで見る「あっ!」といって腰に手を当て動けなくなるやつです。
あるいは、最初腰のあたりが重く張ったような違和感だったのが、どんどん痛みが出てきて、そのうち耐えられないような激痛になることもあります。

ぎっくり腰の原因はどういったことが考えられるのでしょう?

ぎっくり腰の原因をはっきり特定することは出来ませんが、殆どは椎間関節といって、腰の骨をつなげる関節の部位の捻挫によるものと考えられます。前回足首の捻挫でお話ししたように、捻挫により周辺組織が炎症を起こすことで、強い痛みを生じるものです。

この原因のベースには、長時間の立ち仕事や中腰等の不自然な体勢、姿勢の悪さ、運動不足、肥満、ストレス等による筋肉疲労や背骨のゆがみなどが蓄積することで起こるものです。そこに先程お話ししたような動作が引き金になって発症するケースが大半です。「ぎっくり腰」は日常生活の中に多くの発生リスクがあるので、誰がいつ起きてもおかしくありませんので、注意してください。

「ぎっくり腰」になった時はどうしたらいいですか?

身動き出来ないような痛みの時は、無理に動いたり体を起こしたりせず、少しでも楽な姿勢を取ってください。横向きで膝を曲げて寝ると腰への負担が少なくなり、痛みが和らぎます。2~3日は無理をせず安静にすることです。足首の捻挫の時と同じように、氷で冷やすアイシングするのも有効です。ただし、冷やしすぎないようにしてください。もし痛み止めがあれば飲んでください。痛みが軽くなったら、無理のない程度に早くから動いた方が、ベッド上で安静にしておくより早く回復します。

ねんざの時にもお聞きしたのですが、「これくらいなら病院に行かなくても大丈夫」「これはいったほうがいい」という受診すべきかどうかの目安、教えてください。

いつまでも痛みが続くとか、足にシビレがあったり、力が入りにくいなどの神経症状や、おしっこが出にくいなどの症状があれば必ず整形外科を受診してください。
このような症状がなく、ただ腰が痛いだけで、痛みも徐々に軽くなっていくようであれば無理をしないで様子を見てください。
急性期の痛みが強い時に整体や指圧にいかれる方があると思いますが、急性期の腰痛には禁忌で、かえって痛みが強くなります。

できればなりたくない「ぎっくり腰」。予防策はありますか?

「ぎっくり腰」は急激な過負荷で起こるような場合を除き、殆どが日常生活と密接に関連性があります。つまり、日頃から姿勢が悪かったり、運動不足で腰や背中を支える筋肉が弱かったりすることで起こりやすくなります。このことからもぎっくり腰を予防するには、姿勢を正し、生活習慣を改め、適度な運動を続ける、そしてストレスを溜めないことが大切です。

なぜストレスが腰痛の原因となるのですか?

これまでストレスが高まると「腰痛」が増えることが指摘されていましたが、
その理由は解明されていませんでした。福島県立医科大学がこのことに注目し、
原因不明の腰痛患者の脳血流量をしらべたところ、7割の腰痛患者が、健康な人に比べて血流量、つまり脳の働きが低下していました。アメリカのノースウェスタン大学がさらに詳しく調べたところ、活動が特に低下しているのは「側坐核(そくざかく)」という部分であることがわかってきました。


See page for author [CC BY-SA 3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

側坐核(n. accumbens)と腹側被蓋野(VTA)See page for author [CC BY-SA 3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

この場所は、痛み信号が脳に届くと鎮痛物質を働かせる命令を出すところで、これによって脳は大きな痛みを自動的に抑えています。
ところが慢性的なストレスを受けると、「側坐核」の働きが低下し、鎮痛物質に命令がいかないので、痛みが抑えられず、激痛を感じるようになります。
たとえば、慢性的に腰が痛いと活動力が低下します。その上、いつも痛い痛いと言っていると家族からはうるさがられ、病院に行っても原因ははっきりせず、「そのうち治るでしょう。適度な運動をしてください」と言われる。でも、いつまでたっても治らない為、ストレスが山のように溜まってきます。そうすると側坐核にある鎮痛システムの働きが悪くなるので、ますます痛みが強くなります。これが痛みの悪循環で、これを絶ってやることが発症予防に有効であると言われています。
作家の夏木静子さんは、作家としてのステータスを保っていくための葛藤がストレスとなり、重度の腰痛に悩まされたと体験談「椅子がこわい」に書かれていますが、慢性腰痛の原因のひとつにストレスがおおきな要因になっているという事です。

ではこの悪循環を断ち切るにはどうすればいいのですか?

側坐核は快楽と強く関連する場所で、自分の好きな食べ物や音楽、においなどを積極的に取り入れることで、ストレスによって機能が落ちていた側坐核が活性化し、鎮痛効果が高まるとされています。
さらに、手足を動かし脳を使うという、身心ともに行動することで側坐核が刺激されて「やる気」をおこすドーパミンというホルモンも出します。腰が痛くても、家でじっとして何もしないのではなく、まずは動くことです。そうすれば、痛みも軽くなり、やる気も出て、腰痛も改善してきます。という事で、腰痛といっても85%は画像検査などを行っても原因を突き止めることが出来ない、奥深い病気だという事を理解していただき、側坐核をしっかり刺激してください。

一度やっちゃうと「癖になる」という俗説があります。これは本当でしょうか?

ぎっくり腰になりやすい生活習慣がある場合、それを正さない限りまた再発することが多いです。生活習慣を見直して、直さないといけないということですね。

まとめ

  1. ぎっくり腰は、悪い姿勢、運動不足、肥満、ストレスなどが原因となることが多い。
  2. ぎっくり腰になってしまったら、少しでも楽な姿勢をとり安静にする。痛みが増す、長引く、しびれなどがある場合は病院へ。
  3. ストレス発散は、側坐核の刺激となり、腰痛改善に効果的。

関連タグ:健康管理 ラジオ ぎっくり腰 整形外科 奥平先生 

ドクターデータ

奥平信義(おくひらのぶよし) 医師

マツダ病院 院長。 専門は整形外科で、「サンフレッチェ広島」のチームドクターを務める。
奇数月第3水曜日の「おひるーなクリニック」担当ドクター。

施設名マツダ病院
住所広島県安芸郡府中町青崎南2-15
電話082-565-5000(代表24時間対応)
RCC情報
会社情報 採用情報 個人情報保護への取り組み 著作権とリンク 情報通信セキュリティ方針国民保護業務計画ご意見・ご感想
関連会社
RCC文化センターRCCフロンティア|オレンジシステム広島|中国新聞グループwebJNN系列放送局
PR
RCC中古車展示場MEGARCCリフォームセンター
広島県日韓親善協会
Copyright (C) RCC BROADCASTING CO.,LTD. All rights reserved.