文字サイズ
  • 文字サイズ大
  • 文字サイズ小

子どもの便秘


放送を聴く

放送日

放送:2017年3月1日(水)
ゲスト:向洋こどもクリニック
 梶梅 輝之 院長
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
今回のテーマは、「子供の便秘」。向洋こどもクリニック 梶梅 輝之 院長先生にお話を伺いました。


今回のポイント

  1. どのくらい便通がなかったら、病院に行くべき?
  2. 便秘の原因は?

子どもの便秘という事ですが、まず症状や治療を受けた方がいいかどうかの目安を、教えてください。

便秘とは、排便回数や量の少ない状態です。
小児の便秘には、稀に何らかの原因が存在する場合がある。たとえば、直腸肛門奇形、甲状腺機能低下症、脊髄神経の異常、ヒルシュスプルング病、精神発達の遅延などです。
しかし、ほとんどは腸が長い、腸の動きが悪い、などの原因が特定はできないものです。小児では3日以上排便がなければ治療を受けるのが望ましいですね。

便秘の原因はどういったことでしょうか?

乳児の場合と幼児の場合で違います。
まず幼児期の場合は、腸の機能が未熟なために便秘になります。
生後最初は母乳または人工乳を与え、通常は5~6か月頃から徐々に離乳を開始します。腸管の機能が大人並みになるのは2~3歳頃と言われており、それまでは吸収も蠕動運動(ぜんどううんどう)も未熟で、便秘になる可能性があります。そのため、トマトの皮がそのまま出て血便と間違われることもあります。
腹直筋の発達も遅れているので、十分腹圧がかけられないことも要因のひとつ。
どういう風に腹圧をかければよいかも成長とともに体で覚えていくので、それまではむやみに気張ったりします。

幼児の便秘の原因はどういったことでしょうか?

トイレへ行きたい時に我慢し、これが習慣化すると便秘になることがあります。祖父母の家に帰省した時、旅行に行った時などですね。
また、多くの子は、離乳の失敗で便秘傾向になります。食べる量が少なくても、お菓子(小麦製:食物繊維が少ない)ばかり食べても便が少なく、凝集して硬くなります。
排便時に肛門痛があれば、それが原因で排便を我慢して悪循環に陥ることもあります。

では治療方法について教えてください。これも、乳児と幼児でちがいますか?

違います。
便秘傾向の乳児には「こより浣腸」や「綿棒刺激」を積極的に行い、毎日排便するよう心掛けます。お母さんは、それが癖になるのではないかとか、性癖になると本気で思っている人がいるが、そのような報告はありません。
最終的に、最低でも2~3日に一度は必ず便が出るようになり、排便前に腹が張ってご飯が食べられないなどの症状がなければ、それがその子のリズムであると考えていいでしょう。

では幼児の治療方法について教えてください。

便秘の期間と同じだけ治療期間がかかるといいます。
治療にあたり一番大事なのは、直腸(肛門からすぐ上の骨盤内)に便の塊がないことです。便塊があれば直腸が引き伸ばされて、蠕動が低下し、便意が鈍くなります。便塊があれば、物理的に出さない限りは治療効果が出せない。この場合は、便塊の周囲から下痢が出てしまい、親は下痢であり、便秘とは思っていない。また、本人は24時間便意があるのにこらえているので、油断してパンツを汚すことがあります。

便塊がある場合には、摘便(指でほじくり出す)が必要となることがあるが、座薬や浣腸を毎日積極的に使用し(7~14日間)、直腸を空にするのが望ましいです。朝ご飯を食べて便意が出る人が多いように、できれば食後30分以内に浣腸か坐薬を使うことが望ましいです。
まずは、直腸を空っぽにすることが大切。
慢性便秘の場合は、浣腸に加えて薬物療法を開始します。

薬物療法、便秘の薬にはどのようなものがあるのでしょうか?

●大腸刺激薬(ピコスルファートやセンナ)
時々使うなら良いが、慢性便秘の場合は漫然と毎日使うと、刺激に慣れ使用量が増える。

●酸化マグネシウム
腸管内に水分を吸収し、便を柔らかくする。腎障害があると、高マグネシウム血症となることがある。(習慣性はない)

●ラクツロース
浸透圧作用によって下剤効果を示す。腸内でビフィズス菌などのエサになり、腸内フローラの正常化が期待できる。(習慣性はない)

●プロバイオティクス
いろいろなタイプの乳酸菌などを取り込むこと。
ある程度の効果はあるが、逆に便秘になる人もいる。2週間程度試してダメであれば、他のものに変えるとよい。また、効果があったとしても、3か月ぐらいで効果がなくなり、その場合は別の製品に替え、定期的に交代していく方が良い事がある。

●食物繊維
人工食物繊維などの科学的に生成されたものは、子どもでは腸管壁に傷がつく可能性があり、勧められない。食物繊維で、排便に良いのは、キウイフルーツ、ゴボウ。安価で便秘に良いのはミカンで、房の周りの白い綿のようなものが食物繊維として便秘に効果がある。

子どもの便秘、メンタルな要因もあるのでしょうか?

便秘の子供の性格として、非常に引っ込み思案なことが多いですね。
また、トイレで小便はできても、大便はできない子がいます。おねしょもしないのに、排便時はオムツを覆きたがり、立ったまま排便する子がいます。何か、トラウマがあるものと思われ、親と手をつないでいるとトイレで排便したり、人がいるのを確認すると安心してトイレで排便する子もいます。
このような子たちは、無理強いをしても改善しないので、気長に待つことが大切です。

「気長に待つことも大切」ですか。

便秘の治療に焦りは禁物。
怒ってはいけません。逆に、排便後は、「いいウンチが出たね」とか、「おなかがすっきりして良かったね」とか、「がんばって出したね」とか、ほめるような言葉で励ましてやることが必要です。

まとめ

  1. 小児では、便秘の影に別の病気が隠れていることもあるので、3日以上排便がなければ治療を受けるのが望ましい。
  2. 乳幼児は、腸の機能が未発達だったり、トイレを我慢しすぎて便秘になることが多い。
  3. 子供が安心して排泄できるような環境を作る。急かしたり、焦らせるのはNG。排泄できたら、ほめてあげるのが望ましい。

関連タグ:ワクチン ラジオ 子供の病気 はしか 風しん 小児科 梶梅先生 

ドクターデータ

梶梅 輝之(かじうめ てるゆき) 医師

向洋こどもクリニック 院長
おひるーなクリニック奇数月第1水曜日

施設名向洋こどもクリニック
住所安芸郡府中町青崎中24番26号 クリニックモール向洋4F
電話082-287-3266
RCC情報
会社情報 採用情報 個人情報保護への取り組み 著作権とリンク 情報通信セキュリティ方針国民保護業務計画ご意見・ご感想
関連会社
RCC文化センターRCCフロンティア|オレンジシステム広島|中国新聞グループwebJNN系列放送局
PR
RCC中古車展示場MEGARCCリフォームセンター
広島県日韓親善協会
Copyright (C) RCC BROADCASTING CO.,LTD. All rights reserved.