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変形性膝関節症


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放送日

放送:2017年3月15日(水)
ゲスト:マツダ病院 奥平信義 院長
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
今回のテーマは、「変形性膝関節症」。サンフレッチェ広島のチームドクターをお勤めでもある、マツダ病院 奥平信義 院長先生にお話をうかがいます。


今回のポイント

  1. 変形性膝関節症とは、何?
  2. 変形性膝関節症になったら、どうしたらいい?
  3. 予防策は?

変形性ひざ関節症の患者さんは多いのですか?

高齢化が進むにつれ、膝の痛みに悩んでいる方は増加しており、その多くが
変形性膝関節症という病気によるものです。
2014年10月1日現在、26%です。まさに超高齢社会です。超高齢社会というのは、総人口に対して65歳以上の高齢者が占める割合が21%を超えた状態を言い、日本は2007年にすでに突入しています。2035年には33.4%と3人に1人は65歳以上になると予想されています。こういうわけですから、これからさらに増えていく病気とも言えます。

変形性膝関節症とはどのような病気ですか?

正常な関節の表面は、つるつるした軟骨で覆われ、衝撃を吸収したり、動きを滑らかにしています。
変形性膝関節症は年齢を重ねるにつれ、軟骨の弾力性が失われてすり減り、炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気です。したがって、症状が出始めるのは50~60歳代からが多いのですが、若い頃に膝周辺の骨折をしたり、半月板や靱帯の損傷があればもっと早く症状が出てくる可能性があります。特にサッカーやラグビーの選手は膝に障害を持っているものが多く、将来変形性膝関節症になる可能性が高いのですが、普通の人でも肥満の方や重い荷物を頻繁に運ぶような仕事をしている方は、膝に負担がかかりやすくリスクが高いと思います。男女比は1対4で女性に多い病気です。

どんな症状があるのですか?

初期の症状としては、立ち上がったり、歩き始めなど動作を開始するときに痛みがあり、しばらくすると痛みがなくなるという程度です。しかし、症状が進行してくると、正座やしゃがみ込む動作が苦痛となり、さらには階段の上り下りもつらくなります。特に階段を下りるのがつらくなります。

炎症が起きてくると、膝の周辺が腫れたり、熱感を伴ったりします。これは、関節炎により多量に産生された関節液が溜まった状態で、関節水腫と言います。
よく水が溜まったと表現されるものです。

中等度以上の関節水腫は、関節炎の鎮静化や軟骨の栄養に悪影響を与えるため、
関節液を排出する処置、つまり水を抜くといった処置が必要となります。

さらに進行すると、軟骨がすり減り、骨どうしが直接ぶっつかる様になります。骨には痛みを感じる神経がある為、じっとしていても、動いている時にも鈍く強い痛みが続いたり、さらには膝の曲げ伸ばしにも制限が出て、日常生活にも支障が出ます。
特に内側の軟骨が摩耗し、骨に変形が生じるとO脚といわれるような関節の変形が目立つようになります。

水を抜くと癖になるとよく言われますが?

溜まった水を抜いても、再び水が溜まってしまい何回も抜かなければいけないことがあります。これは、「くせ」になったのではなく、水が溜まる原因となった炎症が治ってないからです。炎症が治まれば水も溜まらなくなります。

では、診断はどのようにするのですか?

一般的な診察で、痛みの内容を聞き、関節が腫れていないか、関節のどこに痛みがあるのか、関節の動きはどうか、変形はないかなど膝の状態を調べた後、Ⅹ線検査を行います。Ⅹ線検査は立って膝に体重がかかった状態で撮影し、関節の隙間が狭くなっているかを見て、軟骨のすり減りの状態を調べます。半月板等の損傷が疑われるなど、必要があればMRI検査をします。

治療方法を教えてください。

まずは日常生活での生活習慣の改善です。
膝には体重の約3倍の負担がかかっています。したがって、膝の負担を減らすには、体重のコントロールが欠かせません。ただし、極端なダイエットは骨や軟骨の栄養が悪くなったり、膝関節を支える筋肉が弱くなってしまいますので注意してください。
その他、正座をさける、洋式トイレを使用する、杖をついて歩くなど生活の中の動作で膝をいたわる心がけが必要です。

生活習慣の改善ですね。あとはありますか?

運動療法です。
膝関節を主に支えているのは太ももの前側にある大腿四頭筋という筋肉ですが、この筋肉を鍛えることにより膝を安定させて関節の負担を減らします。
自宅で簡単に取り組める方法として、

  • あおむけに寝て、片方の膝を直角に曲げます。もう片方の脚は膝をまっすぐ伸ばしたままゆっくりあげ、床から10cmのところで5~10秒静止します。
  • この時足首は直角に保つ方が効果的です。
  • ゆっくりと脚を下ろし、2~3秒休みます。これを左右の脚を替えて20回繰り返します。朝夕やってください。
  • 椅子に腰かけてやる場合は、片方の脚を水平に伸ばして、5~10秒そのまま保ちます。この時足首は直角にしてください。これを左右10回程度やってください。

生活習慣の改善、運動療法、ですね。あとはありますか?

運動療法の他には、膝を温める温熱療法、サポーターや足底板を使った装具療法、痛みを抑える薬物療法などがあります。

足底板は靴の中に入れたり、足に直接つけたりする装具で、O脚を矯正することにより、立ったり歩いたりする時に膝の内側にかかる負担を減らして、痛みを和らげることを目的とします。変形がそれほど強くない時期に有効です。

薬物療法は消炎鎮痛剤の飲み薬や貼薬、膝関節の中にステロイド剤やヒアルロン酸の注射をする治療などがあります。

最終的に症状の改善がなく、日常生活にも支障がある場合、患者さんの年齢、
関節の状態によって適切な手術方法を選択します。

ヒアルロン酸、耳にしますがどんなものですか?

関節液や軟骨に含まれる成分で、潤滑油のように関節の動きをよくしたり、軟骨細胞を活性化させる働きがあります。ですから、ヒアルロン酸を直接関節内に注射することで、痛みや炎症、軟骨のすり減りを抑え、病気の進行を抑えることも期待できます。
注射は通常週1回のペースで5週間続け、後は症状の程度によって数週間ごとに
行います。

ヒアルロン酸は、サプリメントもありますが・・・。

サプリメントとして口から摂取した場合は、胃や腸で消化されてしまいますので、関節への作用を期待するのは難しいでしょう。
今のところ、効果に関する医学的な根拠は報告されていません。

最後に予防策としてどんな事に注意したらいいでしょうか?

運動器の障害のため、移動機能の低下した状態をロコモティブシンドローム
(通称ロコモ)といいますが、変形性膝関節症はロコモの代表的な原因疾患のひとつなのです。
いつまでも自分の足で歩き続けていくために、運動器を長持ちさせ、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていく事が必要です。
以前、骨粗鬆症についてお話したときにロコモーショントレーニングのやり方を
紹介しました。もう忘れたかと思いますが、バランス能力を高める「片足立ち運動」と脚の筋力を鍛える「スクワット」という運動療法です。ロコモにならないよう、年齢に応じた適度な全身運動を行い、バランスのとれた体づくりを目指すことが予防につながる、すなわち変形性膝関節症の予防になるというわけです。

まとめ

  1. 太ももの前側にある大腿四頭筋を鍛えましょう
  2. 肥満であれば減量しましょう
  3. 正座は避けましょう
  4. 洋式トイレを使いましょう
  5. 膝を冷やさないようにしましょう
  6. 痛みが強かったり、腫れたりしている時は冷やして炎症を抑え、慢性的な痛みは温めて、血行をよくしましょう
  7. 膝の痛みを感じたら、早めに整形外科を受診して相談しましょう

関連タグ:健康管理 ラジオ ひざ痛 整形外科 奥平先生 

ドクターデータ

奥平信義(おくひらのぶよし) 医師

マツダ病院 院長。 専門は整形外科で、「サンフレッチェ広島」のチームドクターを務める。
奇数月第3水曜日の「おひるーなクリニック」担当ドクター。

施設名マツダ病院
住所広島県安芸郡府中町青崎南2-15
電話082-565-5000(代表24時間対応)
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