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子どものアレルギー


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放送日

放送:2017年5月31日(水)
ゲスト:向洋こどもクリニック
 梶梅 輝之 院長
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
今回のテーマは、「子どものアレルギー」。向洋こどもクリニック 梶梅 輝之 院長先生にお話を伺いました。


今回のポイント

子供がアレルギーにならないための民間療法って、効果があるの?
アレルギーがあるといけないから「食べさせる前に触らせてみる」はOK?

子どものアレルギー疾患、年々増えているそうですね。

近年、アレルギー疾患が増加傾向にありますが、特にアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギーの増加が著しいです。
何らかの外的因子によるアレルギー反応で、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの症状が起こるものがアレルギー性鼻炎
同様に目の充血や痒みの症状が起こるものがアレルギー性結膜炎
花粉が外的因子で、花粉の飛散期に一致して症状がおこる場合を、季節性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性結膜炎といい、一般には花粉症とも呼ばれています。
花粉症は小児にもあり、両親に花粉症があれば子供にもある可能性が高いです。
当院では生後6か月の赤ちゃんでも涙や鼻汁からの検査でアレルギー陽性になったお子さんもいらっしゃいました。年長児になるほど頻度は高くなります。

治療法についてお聞きします。
まずは小児のアレルギー性鼻炎の治療について、教えてください。

くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの症状に合わせた対症療法が主体になります。
くしゃみ、鼻水には抗ヒスタミン剤、ただし副作用の眠気がおこる場合が多いんです。
鼻詰まりにはロイコトリエン受容体拮抗薬が有効です。
ステロイド点鼻薬(鼻のスプレー)はすべての症状に有効とされるが、小児は点鼻を嫌がることが多いです。
根治療法として、いわゆる減感作療法があります。最近は原因がスギとダニの場合に舌下(舌の下に液を垂らす)免疫療法という治療がでてきました。ただし12歳以上になります。

小児のアレルギー性結膜炎の治療について、教えてください。

目の充血や痒みに合わせた対症療法が主体です。
基本的に抗ヒスタミン剤の点眼(目薬)。
ステロイドの点眼は、春季カタルという、ひどく結膜がタダレる状態なら使用すべきですが、通常は使用しません。
目薬は目にシミにくいものを選択するが、小児、とくに年少児には嫌がって困難な場合が多いです。

では、食物アレルギーについて、教えてください。

原因食物を経口摂取したあとにおこるアレルギー反応で、摂取して2時間以内にじんましんが出ます。
しんましんのほかに咳や嘔吐などの症状もあればアナフィラキシーといいます。
ぐったりして血圧が下がって命が危険な場合をアナフィラキシーショックという。
治療は基本的には原因食物の除去だが、重症度によっては除去をしないほうが良い場合がある。重症度は様々なので、主治医に確認するとよい。

食物アレルギーは、小麦やそばなど良く聞きますが、口から入ったものがアレルギー反応を起こすというだけではないそうですね。

乾燥肌や湿疹によって、皮膚バリアが破綻しているとき、抗原が侵入するとアレルギーになることがあります。皮膚から侵入する前に、口から入れておくと、食物アレルギーになりにくいです。
(そばアレルギーにならないよう、食べる前にそば打ち体験させる・・・とうのは逆!)

皮膚から入ってくることで、食物アレルギーが発症してしまうということですが、予防法や対策はあるのでしょうか?

つまり、乳児期の乾燥肌や湿疹は放置しない方が良い
乾燥肌があれば保湿剤を使用し、湿疹があればステロイドの塗り薬も躊躇なく使用するほうがいいです。
環境因子もあり、犬を飼っている家の乾燥肌の子供は犬アレルギー、釣り好きの家庭は魚アレルギー、蕎麦屋の子はソバアレルギー、ピーナッツ好きの家庭はピーナッツアレルギーに注意が必要。環境整備とともに、子どもと遊ぶ前には親が手と顔を洗うと良い。

アレルギーにならないために、妊娠中から「除去食」にする、という話を聞いたことがあります。
これは間違いなのでしょうか?

数年前までは,胎児がアレルギー疾患ハイリスクの場合は妊娠中母体の食物抗原除去(たとえば妊娠中は卵や牛乳を除去する)を指導されていました。
しかし、食物抗原を除去してもアレルギー疾患発症のリスクは減らないことがわかっています。
つまり、妊娠中に食物抗原除去することは意味がありません。
おなじく授乳中の母が食物抗原除去をしてもアレルギー疾患発症のリスクは減らないといいます。

アレルギーにならないために離乳食の開始を遅らせるのは、どうなのでしょうか?

最近の研究で、固形物の摂取を遅らせることによるアレルギー予防効果はないことがわかっています。

J Pediatr. 2007, 352-35

さらに、アレルギーが心配で卵の摂取開始時期を遅らせている時は、卵アレルギーになるリスクが高いこともいわれています。

JAllergy ClinImmunol. 2010, 807-813

では、離乳食の開始は、早くてもいい?

アレルギーにならないために離乳食の開始が早すぎてもダメ
「わが国の授乳・離乳支援ガイド」によれば、生後4か月までに4種類以上の固形物を摂取すると、アレルギー性疾患発症のリスクが高くなるという。
最近では
■妊娠中・授乳中の食事制限はしない
■生後4ヶ月までに離乳開始しない

となっている。

「いい」と思ってやっていても、実はそうじゃないというケース、ありますね。
アレルギーの治療で、「実はこれ間違っている」というの、ありますか?

【アトピー性皮膚炎】
  • ×ステロイドを使わない患者が多数派
  • ×外用剤を「できるだけ薄くのばす」方がよいと説明
  • ×入浴時の石けん不使用
【アレルギー性鼻炎】
  • ×根拠のない「民間療法」を勧める
【アレルギー性結膜炎】
  • ×軽症でもステロイド点眼薬を処方する【気管支喘息】
  • ×発作が月1回以上あっても発作予防薬を服用していない
  • ×発作治療薬を予防薬として定期的に使っている
【食物アレルギー】
  • ×血液検査だけで食物アレルギーと診断し、陽性の食材は全部除去
  • ×卵アレルギーを理由に鶏肉と魚卵を除去する

まとめ

  1. アレルギーの因子を突き止め、完全に除去したほうがいいのか、少量ずつ摂取したほうがいいのかなど、医師と相談しながら治療していくことが望ましい。
  2. 食べるよりも皮膚から大量に入り込むことで、アレルギーになりやすくなる。乳児期の乾燥肌や肌荒れを放置しない。
  3. 離乳食の開始は、早すぎても遅すぎてもアレルギーのリスクを高めてしまう。妊娠中・授乳中に親が卵や牛乳を控えても、子供がアレルギーを発症するリスクは減少しない。

関連タグ:アレルギー ラジオ 子供の病気 はしか 風しん 小児科 梶梅先生 

ドクターデータ

梶梅 輝之(かじうめ てるゆき) 医師

向洋こどもクリニック 院長
おひるーなクリニック奇数月第1水曜日

施設名向洋こどもクリニック
住所安芸郡府中町青崎中24番26号 クリニックモール向洋4F
電話082-287-3266
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