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ビタミンと心身の健康


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放送日

放送:2017年8月2日(水)
ゲスト:心療内科クリニック リュミエール 片山真一医師
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦

今日は「ビタミンと心身の健康」についてです。
今日は、心療内科クリニック リュミエール 片山真一院長にお話しを伺います。

今回のポイント

  1. ビタミンは身体だけでなくココロの健康にも影響する?
  2. ビタミンは何のために必要なの?
  3. ビタミンを効率よく摂取するには?

ビタミンが身体の健康に影響があるとはよく聞きますが、心の健康にも関係があるのでしょうか?

関係あります。例えばビタミンCが不足すると、貧血、肌荒れ、関節の痛み、骨粗鬆症、免疫力の低下などが起こりやすくなりますが、イライラや気分の落ち込みなどの精神症状を引き起こしたり、心理的なストレスに対して弱くなってしまう事が知られています。ビタミン不足は体や心の病の原因になる場合が多々あります。

「ビタミンと心身の健康」についてお話しするにあたり、初回の今回は現代の「質的栄養失調」と「ビタミンの大量摂取の意義」についてお話します。

ではまず「質的栄養失調」について教えて下さい。

今の日本では栄養失調という言葉はあまり聞かなくなりました。実際、飽食の時代といわれ始めて久しくなりますが、コンビニやファストフード店の売れ残り食品は廃棄され、国内には食べ物は有り余っているように見えますし、テレビでは高級食材を扱ったようなグルメ番組を見ない日はないくらいグルメブームが続いていたりします。
しかし、一方で、実際の今の日本人の食生活、特に、一人暮らの人は、料理とかするのは億劫に感じ、お米やパン、麺類中心で空腹を満たすだけの食事になっている場合が多くなっています。満腹感は得られるものの、炭水化物を中心に過量に摂っているために、知らないうちに、タンパク質や鉄や他のミネラル類、ビタミン類が足りていないという事態が起こっています。
さらに、意識的に野菜や果物などを摂っている人でも、実際に野菜や果物に含まれるビタミンやミネラルなどの栄養素はこの50年で1/2~1/5にまで激減しているため、期待するほどの栄養は摂れていないことも多いようです。この状況を「質的栄養失調」と呼びます。

野菜栄養素1950年2000年
ホウレンソウビタミンC{mg}15035(23%)
鉄{mg}132(15%)
ニンジンビタミンA{μg}4050280(7%)
ビタミンC{mg}104(40%)
キャベツビタミンC{mg}8041(51%)
春菊ビタミンC{mg}5019(38%)
鉄{mg}91.7(19%)
セロリビタミンC{mg}307(23%)
アスパラガスビタミンB2{mg}0.30.15(50%)
タマネギカルシウム{mg}4021(53%)
[100g中の栄養素量の変化 日本食品標準成分表より]

では「質的栄養失調」にならないために、1日に摂るべき栄養の目安はあるのでしょうか?

厚生労働省の「食事摂取基準」には三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)やミネラル、ビタミンの日本人が1日当たりに摂るべき量を推奨量や目安量の形で示されていますが、その通りに摂っていれば病気にならないか?というとそういう事でもありません。「食事摂取基準」は現在健康な成人の摂取量から統計確率的に出された量であって、この栄養量を摂っていたからといって将来病気にならないという科学的根拠(因果関係)はないですし、病気や怪我、強いストレスのかかっている人はこの量では足りないはずです。

三大栄養素の中ではタンパク質が足りていないとの話でしたが、タンパク質はどのような役割をしているのでしょうか?

もちろん糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素はどれも大切ですが、タンパク質は特に大切です。摂取されたタンパク質は体内で消化分解され、アミノ酸となり、これを原料として新たなタンパク質を再合成します。人体で合成されるタンパク質の役割は多岐にわたり、10万種類に及ぶといわれています。
例えば
・代謝などの化学反応を起こさせる触媒である酵素
・神経と協力して体の恒常性を保つ役割を担うホルモン
・骨、軟骨、皮膚などの結合組織の主成分や筋肉繊維
・酸素を運ぶ赤血球中のヘモグロビン
・鉄イオンを貯蔵するフェリチンなど貯蔵タンパク質
・抗体やグロブリンなど免疫に関与する防御タンパク質
などです。
タンパク質が生命の源といっても過言ではありません。

ではそもそも、ビタミンは何のために必要なのでしょうか?

生命の源ともいえるこのタンパク質ですが、これをアミノ酸に分解するためには、ビタミンB群が必要ですし、そのアミノ酸からコラーゲンや筋繊維を合成するにはビタミンCやミネラルが必要です。体内での化学反応である代謝を体温37度前後という特別な条件下で行うための仲立ちをする酵素もタンパク質ですが、その働きを効果的に進めるために補酵素として重要な役割を果たすのもビタミンです。

では、ビタミンを摂取する際にどのようなことに気を付けたらいいのでしょうか?

タンパク質から体そのものを作ったり、酵素として働く上でビタミンが必要なことを説明してきました。ただ、ビタミンの効果が個々の人によって違うのは事実です。これに対して、分子栄養学では、原因を主に2つあると考えています。

一つは、ビタミンとタンパク質の合致のしやすさの違いです。酵素タンパク質にはビタミンのはまるポケットがあって、ビタミンがうまく はまったときに、酵素機能を発揮するようになっています。ただし、そのポケットの形は個人差があって、ビタミンがハマりやすいポケット形状の人は例えば2回に1回ははまるけど、ある人は10回に1回しかはまらないといった個人差があるのです。
この場合、10回に1回しかビタミンがポケットのはまらない人は、ビタミンを大量摂取して高濃度にし、ポケットにはまる回数を上げることで、はまりにくさからくる効率の悪さをカバーできると考えるのがビタミンの大量摂取の考え方です。

もう一つは、あるビタミンを必要とする酵素合成反応は複数にあって、どの酵素合成反応を優先にするかは個人個人で違うという事です。
ビタミンが流れている川をイメージしてください。その川の上流から下流に向かって、各所に水車があって、そこでビタミンを使ってタンパク質を合成しているイメージです。例えばAさんはカゼ予防物質合成の水車が最上流の1番目に、Bさんはカゼ予防物質合成の水車が最下流の最後にあるとします。これが個人差です。Aさんは少量のビタミンでもカゼ予防物質合成ができますが、Bさんは最下流までにビタミンは消費され、行き渡らないため、カゼ予防物質合成できず、しょっちゅう風邪をひいてしまうようになってしまうのです。
この場合も上流のビタミン量を増やすことで最下流までビタミンが行き渡るようになり、Bさんも、カゼ予防物質合成もできるようになると考えるのがビタミン大量摂取の考え方です。

このようにビタミンの必要量は個人個人で異なっており、時にはこのような大量のビタミンを摂ることも必要かもしれません。野菜や果物からだけでは十分量を摂取することは困難な場合は、ビタミン剤などのサプリメントを利用する方法もあります。

初回の今日は「質的栄養失調」と「ビタミン大量摂取の意味」についてお話を伺いましたが、次回からはどのようなお話を聞かせていただけるのでしょうか?

次回以降はビタミンの具体的な効用についてお話させていただく予定です。

まとめ

  1. ビタミンが不足するとイライラしたり落ち込んだりしやすくなる。
  2. 同じ内容の食事をしても、ビタミンを吸収する量は個人によって異なる。
  3. 食事からだけでは不足する場合、サプリメントも有効である。

関連タグ:ビタミン ラジオ 心療内科 片山先生 

ドクターデータ

片山 真一(かたやましんいち) 医師

心療内科クリニック リュミエール 院長。
おひるーなクリニックの偶数月第1水曜日担当ドクター。

施設名心療内科クリニック リュミエール
住所広島市中区西白島町20-15 メディカルプラザ西白島1F
電話082-212-2000
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