文字サイズ
  • 文字サイズ大
  • 文字サイズ小

O157


放送を聴く

放送日

放送:2017年8月30日(水)
ゲスト:津谷内科呼吸器科クリニック 理事長 津谷隆史 先生
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


今日は「O157」についてです。
広島県医師会常任理事で、津谷内科呼吸器科クリニック理事長の 津谷隆史先生にお話を伺います。先生よろしくお願いいたします。


今回のポイント

  1. O157を防ぐには、どうしたらいいの?
  2. 発症してしまったら、やったほうがいいこと、やらないほうがいいことは?
  3. 家庭で気をつけるポイントは?

先日も、埼玉県のスーパーで販売されていたポテトサラダを食べ体調を崩した客から、「O157」が検出された問題がありました。そこで「O157」について、色々聞いてみたいと思います。

8月15日、下痢や腹痛の症状を訴えて三原市の医療機関を受診した幼稚園児の便から、腸管出血性大腸菌O157が検出されました。24日までに兄弟をふくめ、自宅内で7名感染者が発生しました。
埼玉や群馬県ではポテトサラダを食べた感染による集団食中毒O157が確認されたましたが、工場のポテトサラダからは検出されていません。

今、ニュースで話題の「O157」、そもそもどのような菌なのですか?

大腸菌のほとんどは無害ですが、なかには下痢を起こすものがあり「病原性大腸菌」と呼ばれています。O157はその中の一つで、腸管出血性大腸菌と呼ばれています。(ベロ毒素産生性大腸菌)毒素を出して、溶血性尿毒症症候群(赤血球、血小板の破壊による貧血や、出血を引き起こしたり、急性腎不全を発症)や脳症(けいれんや意識障害)を起こします。

「O157」感染がおこりやすい時期はあるのでしょうか?

食中毒は一般に、気温が高い初夏から初秋にかけて多発します。この時期は、食中毒菌が増えるのに適した気温であり、これに人の体力の低下や食品などの不衛生な取扱いなどの条件が重なることにより発生しやすくなると考えられます。気温の低い時期にも発生するので注意が必要です。

感染すると、どのような症状があるのでしょうか?

全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々です。しかし、多くの場合(感染の機会のあった者の約半数)は、おおよそ3~8日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病します。さらに激しい腹痛を伴い、まもなく著しい血便となることがありますが、これが出血性大腸炎です。発熱はあっても、多くは一過性です。

どのようにして感染するのでしょうか?

O157は家畜(牛、羊、豚など)の大腸をすみかとしています。汚染は家畜糞便から水や食物を介して感染したり、感染した人から人へ感染します。
(井戸水、牛肉、牛レバー刺、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、シカ肉、サラダ、貝割れ大根、キャベツ、メロン、白菜漬け、日本そば、シーフードソースなど。)

「O157」感染が疑われる症状がある場合、どうしたらよいですか?

安静、水分補給、消化しやすい食事の摂取などです。これらのことに気を付け、医師の診察を受けること。腸管出血性大腸菌が産生する毒素に対する薬は開発中です。

反対に、やってはいけないことはありますか?

腸管出血性大腸菌による感染症の治療には使わない方が良いとされる薬もあります。たとえば、腸管の運動を抑える働きの下痢止め薬や痛み止め薬の中には、毒素が体外に排出されにくくするものがあります

症状が治まったら、すぐに学校や職場に行ってもいいのですか?

感染症法により腸管出血性大腸菌感染症の患者さん等を診断したときは、最寄りの保健所長に届け出る義務があります。便から菌の陰性化を認めてから職場に復帰しなければなりません。

感染を予防するための方法を教えて下さい。

食中毒予防のポイント

ポイント1 :食品の購入
  • 肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮な物を購入しましょう。
  • 購入した食品は、肉汁や魚などの水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。
  • 特に、生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら早めに帰るようにしましょう。
ポイント 2 :家庭での保存
  • 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
  • 冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。めやすは、冷蔵庫や冷凍庫の7割程度です。
  • 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することがめやすです。細菌の多くは、10℃では増殖がゆっくりとなり、-15℃では増殖が停止しています。しかし、細菌が死ぬわけではありません。早めに使いきるようにしましょう。
  • 肉や魚などは、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁などがかからないようにしましょう。
  • 肉、魚、卵などを取り扱う時は、取り扱う前と後に必ず手を洗いましょう。簡単なことですが、細菌汚染を防ぐ良い方法です。
ポイント 3 :下準備
  • タオルやふきんは清潔なものと交換してありますか?
  • 生の肉、魚、卵を取り扱った後には、手を洗いましょう。途中でペット等動物に触ったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の手洗いも大切です。
  • 生の肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べる物や調理の済んだ食品にかからないようにしましょう
  • 生の肉や魚を切った後、その包丁やまな板を洗わずに、続けて果物や野菜など生で食べる食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。生の肉や魚を切った包丁やまな板は、洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切です。包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて、使い分けるとさらに安全です。
  • 冷凍食品など凍結している食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。解凍は冷蔵庫の中や電子レンジで行うとよいでしょう。また、水を使って解凍する場合には、気密性の容器に入れ、流水を使います。
  • 料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。冷凍や解凍を繰り返すのは危険です。冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もあります。
  • 包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。たわしやスポンジは、煮沸すればなお確かです。
ポイント 4 :調理
  • 加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。加熱を十分に行うことで、もし、食中毒菌がいたとしても殺菌することができます。めやすは、中心部の温度が75℃で1分間以上加熱することです。料理を途中でやめてそのまま室温に放置すると、細菌が食品に付いたり、増えたりします。途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れましょう。再び調理をするときは、十分に加熱しましょう。
ポイント 5 :食事
  • 食事の前には手を洗いましょう。
  • 清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。
  • 調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。 例えば、O157は室温でも15~20分で2倍に増えます。
  • 乳幼児やお年寄りのO157などの腸管出血性大腸菌感染症は症状が 重くなりやすく、死亡率も高くなります。これらの年齢層の人々には加 熱が十分でない食肉などを食べさせないようにした方が安全です。
ポイント 6 残った食品
  • 残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。
  • 残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
  • 時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。
  • 残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。めやすは75℃以上です。味噌汁やスープなどは沸騰するまで加熱しましょう。
  • ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に入れるのは、やめましょう。
しずえ
感染拡大を防ぐためにも、感染が疑われる症状があったら、速やかに診療機関を受診すること、また感染予防の対策が大切になりますね。

 

まとめ

  1. 食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」
  2. 加熱は、75度以上で1分以上が基本。
  3. 調理後もなるべく室温に放置しない。

関連タグ:食中毒 O157 内科・呼吸器科 津谷先生 

ドクターデータ

津谷 隆史(つや たかふみ) 医師

津谷内科呼吸器科クリニック 理事長。
おひるーなクリニック偶数月第3水曜日を担当。

施設名津谷内科呼吸器科クリニック
住所広島市東区牛田早稲田一丁目6-3
電話082-221-5463
RCC情報
会社情報 採用情報 個人情報保護への取り組み 著作権とリンク 情報通信セキュリティ方針国民保護業務計画ご意見・ご感想
関連会社
RCC文化センターRCCフロンティア|オレンジシステム広島|中国新聞グループwebJNN系列放送局
PR
RCC中古車展示場MEGARCCリフォームセンター
広島県日韓親善協会
Copyright (C) RCC BROADCASTING CO.,LTD. All rights reserved.