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「こどもの中耳炎」


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放送日

放送:2017年9月6日(水)
ゲスト:向洋こどもクリニック
 梶梅 輝之 院長
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
今回のテーマは、「こどもの中耳炎」。向洋こどもクリニック 梶梅 輝之 院長先生にお話を伺いました。


今回のポイント

  1. 中耳炎はどんな病気?
  2. 中耳炎の治療は?
  3. ほっとけば治るの?

中耳炎、よく聞く病名ですが、どのような病気なのですか?

急性中耳炎は高頻度に小児が罹患する代表的な上気道炎です。小児急性中耳炎診療ガイドラインによれば、1歳までに62%、3歳までに83%が少なくとも
1回は罹患するといいます。そのほかに1歳までに75%の小児が罹患するという報告もあります。
カゼなどの上気道炎で、鼻水などの分泌物が、耳管という管を通じて中耳という空洞に逆流して貯留。そこに細菌が増殖することで中耳炎になります。
耳の穴から入るのではありません。

中耳炎の症状は?

まず痛みですね。それから耳を触る。あと発熱することもあります。

しずえ
うちの子どももよく中耳炎になっていました。
ドクター
ぼくも子供の時にかかったらしいです。

中耳炎の原因は?

中耳炎の原因になる細菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリス菌などが多いです。最近はワクチンが開発されて、減ってきていますね。

中耳炎の治療は?

細菌が原因なので、治療には抗生物質が用いられるが、最近では欧米を中心に、抗生物質をできるだけ使用しないようになっています。
日本の小児急性中耳炎診療ガイドラインでは、化膿性中耳炎を「軽症」、「中等症」、「重症」の3段階に分類し、軽症例には抗生物質なしで観察するようにと推奨されています。
中等症以上の中耳炎には、従来から使用されているペニシリン系の抗生物質が第一選択として使用されます。
改善のない場合や反復例には、新しいタイプの抗生物質が開発されて使用できるようになっています。
重症例には鼓膜切開も考慮されるが、最近では全体の1割以下であり、あまり施行されなくなってきました。
多くは内服の治療のみで改善する場合が多いですが、抗生物質を漫然と飲ませ続けるのは良くありません。

抗生物質をできるだけ使用しないのは、なぜですか?

抗生物質を安易に使用しない方がいい理由を3つ挙げると、

  • 抗生物質はビフィズス菌や乳酸菌などの健康維持に貢献している良い細菌まで殺してしまう。
  • 抗生物質にアレルギー反応を起こす人もいる。
  • その抗生物質が効かない細菌(耐性菌)が増えてしまう。

などがあります。
ポイントは、発熱があれば何でも抗生物質ではなく、必要な場合にのみ使用するということです。

抗生物質は、小さな子どもには具体的なリスクがあるのでしょうか?

  • 1歳未満で抗生物質を使用された乳児は、クローン病や潰瘍性大腸炎という炎症性腸疾患のリスクが5倍以上増加します。使用量が多いほど発症するリスクが高いようです。
  • 小児のデータではないが、ジスロマック®投与で、心血管疾患で死亡する確率が2.5倍上昇します。
  • 抗生物質をたくさん使用された子供は、そうでない子供より約3倍の若年性特発性関節炎発症リスクがあります。(若年性特発性関節炎とは、小児期に発症する原因不明の慢性関節炎。症状は症状は持続する発熱、発疹および関節炎で、以前は若年性関節リウマチと呼ばれていた。この傾向は、カゼや軽症中耳炎など、本来は抗生物質を使用するべきでない疾患に抗生物質を投薬されると顕著である。)
  • 乳幼児に対して、フロモックス、メイアクト、トロミン、オラペネムの抗生物質長期投与においては、意識障害、けいれんに注意が必要。多くは1週間以上にわたる長期投与によるが、まれに投与翌日に低血糖を起こした報告もあります。

先ほど鼻水などの分泌物が中耳に逆流し、細菌が増殖することで中耳炎になるという話がありましたが、鼻水などの分泌を止める薬は有効ではないのですか?

抗ヒスタミン薬(鼻水止め)の使用は統計学的または臨床的な利益は認められず、それよりも副作用の発現が11%多く認められたとの報告があります。
抗ヒスタミン薬による利益は示されず、多少の有害性が示されていることから、これらの薬剤を使用しないことが推奨されています。

安易に抗生物質を使用するリスクについて良くわかりました。適切な治療を受けるためにはどうすればよいですか?

これまで話してきたように、中耳炎治療の中心は抗生物質ですが、延々と飲み続けるべきではありません。
中耳炎は主に耳鼻科に受診します。鼓膜を観察できる小児科に受診するとよいでしょう。
信頼できる「かかりつけ医」を見つけることが大切です。

まとめ

  1. 中耳炎は、3歳までに8割の小児がかかるというほどポピュラーな子どもの病気である。
  2. 中耳炎の原因は鼻水が中耳に入り込んで菌が繁殖すること。
  3. 軽症であれば抗生物質をなるべく使わないほうが良いが、症状によっては抗生物質が有効なので、かかりつけの耳鼻科の指示を受けるのが良い。

関連タグ:発疹 感染症 ラジオ 子供の病気 はしか 風しん 小児科 梶梅先生 

ドクターデータ

梶梅 輝之(かじうめ てるゆき) 医師

向洋こどもクリニック 院長
おひるーなクリニック奇数月第1水曜日

施設名向洋こどもクリニック
住所安芸郡府中町青崎中24番26号 クリニックモール向洋4F
電話082-287-3266
RCC情報
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