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「手・指がしびれる、痛い!」-何の病気?-


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放送日

放送:2017年9月20日(水)
ゲスト:マツダ病院 奥平信義 院長
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
今日は「手・指がしびれる、痛い!」-何の病気?-としてお送りします。
サンフレッチェ広島のチームドクターでもあるマツダ病院・院長の奥平信義先生にお話を伺います。


今回のポイント

  1. 誰でも時々起こる手首の痛みや指のしびれ。ほっといていいの?
  2. 腱鞘炎はどんな病気?
  3. 突き指は引っ張ったら治る?

日頃よく手や指がしびれたり、痛かったりするということをよく耳にするのですが、何の病気なのですか?

手や指のしびれや痛みを起こす原因としては、神経障害、腱鞘炎、関節の変形、腫瘤、外傷など様々なものがあります。
今日はその中でも代表的な疾患を紹介します。
まず、神経障害の代表的なものに「手根管症候群」があります。

「手根管症候群」とは難しい病名ですが、どんな病気ですか?

手首の手のひら側に骨と靱帯に囲まれた手根管というトンネルがあり、その中を9本の指を曲げる腱と神経が通っています。この神経を正中神経といいます。トンネルの中で滑膜という組織に炎症が起こり、靱帯が腫れて厚くなり、正中神経が圧迫されて指にしびれや痛み、運動障害を起こします。これが「手根管症候群」です。

どんな障害をおこすのですか?

初期には人差し指、中指にしびれや痛みが出ますが、最終的には親指から薬指の半分の、3本半の指がしびれます。特徴的なのは、夜間就眠時や早朝に出現する痛みです。手を振ったり、指の曲げ伸ばしをすると症状が楽になります。
ひどくなると親指の付け根にある母指球筋という筋肉が痩せてきて、小さいものをつまんだり、ボタンかけなどの細かい動作が難しくなります。

「手根管症候群」の原因は何ですか?

原因はよくわかりませんが、妊娠・出産期や更年期の女性に多く生じるのが特徴です。その他、手首の骨折、仕事やスポーツで手を使いすぎたり、人工透析をしている人などに多くみられます。

もしこのような症状が起きたらどうすればいいのですか。また、どんな治療をしたらいいのですか?

しびれや痛みが軽度から中等度の場合は、運動や仕事を軽減し、消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、局所の安静のためのシーネ固定、手根管内の腱鞘に注射をするなどの保存的治療が行われます。しかし、母指球筋が痩せてきている場合は早めに手術が必要です。手術は小さな切開で直接靱帯を切ってトンネルを開き、神経の圧迫を取り除きます。最近は関節鏡を用いた手術も行われます。

腱鞘炎はもっとよく耳にしますが、どんな病気がありますか?

指を曲げたり伸ばしたりしているものが腱というもので、腱鞘とはその字のごとく腱を包む鞘のことです。何らかの原因で腱が通るトンネルとなる腱鞘が炎症を起こして肥厚・狭窄し、そこを通る腱がスムーズに通過できなくなります。この状態を狭窄性腱鞘炎といいます。
指を曲げる腱を屈筋腱といいますが、その代表的な腱鞘炎が「ばね指」で、指を伸ばす伸筋腱に起こる代表的な腱鞘炎を、「ドケルバン腱鞘炎」といいます。

では「ばね指」とはどんな病気ですか?

指を曲げる時に腱が浮き上がらないように支えているのが靱帯性腱鞘と呼ばれるもので、その構造は、ベルトとベルト通しの関係に似ています。この部分に炎症が起きると、腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、痛みなどを生じます。これが「ばね指」です。

どんな症状が出るのですか?

指を曲げ伸ばしする際に引っ掛かりを感じたり、ばねが弾けるような“ばね現症”が起こるので「ばね指」と呼ばれます。ひどくなると指が曲がったまま自分で伸ばせなくなることもあります。指の付け根の手のひら側に痛みや腫れがあり、クツクツといった引っ掛かりを感じると思います。中には指の第2関節が痛いと感じる人もあります。親指、中指に多く起こりますが、どの指にも起こりえます。

原因はどんなことですか?

使い過ぎによる腱と腱鞘の間の機械的な摩擦による炎症です。女性特有の原因として、妊娠・出産期や更年期に見られるホルモンバランスの変化する時にもやりやすいと考えられます。

治療は?

基本的には患部を安静にして、症状の悪化を防いだり痛みを緩和したりします。お風呂の中で、指の曲げ伸ばしをして腱の動きをスムーズにします。
腱鞘内にステロイド注射をすることもあります。症状が改善しない場合は厚くなっている腱鞘部分を切開します。

それではもう一つの「ドケルバン腱鞘炎」を教えてください。

手首の親指側に、親指を伸ばしたり、広げたりする2本の伸筋腱があり、トンネルのようになった腱鞘の中を通っています。そこに炎症が起こって手首の痛みや腫れを起こす腱鞘炎です。原因や治療は「ばね指」とほぼ同じです。

では指の関節に原因があって起こる疾患にはどんなものがありますか?

皆さんよくご存じの病気で「関節リウマチ」による手の障害があります。
「関節リウマチ」の初期症状として有名なのが、「朝のこわばり(Morning stiffness)」と呼ばれるもので、朝起きた時、手を握ることが困難で、文字どおりこわばっている状態です。こわばりは1時間以上続きますが、昼頃にはたいてい改善しています。そのうち、手足の指の関節に痛みや腫れが起きてきます。特に指の関節は指先から2番目の関節(PIP関節)と指の付け根の関節(MP関節)に、左右対称性に起きるのが特徴です。指先の関節(DIP関節)に痛みや変形を生じるのはヘバーデン結節というもので、関節リウマチとは違うものです。次第に手首、肘、膝などの大きな関節に痛みを感じるようになります。「関節リウマチ」の発症のピークは30~40歳代で、女性に圧倒的に多く発症します。最近は高齢者の発症も多いといわれています。

ヘバーデン結節と言われましたが、どんなものですか?

指先にあるDIP関節に痛みがあり、赤く腫れたり、曲がってしまうなどの変形を起こす原因不明の疾患です。関節の両側に小さなコブが出来るのが特徴です。Ⅹ線では、関節の隙間が狭くなったり、骨棘があるなど、変形性関節症の所見が見られます。一般的に40歳以降の女性に多く発症します。

治療法はあるのですか?

痛みや腫れがある時は、局所の安静や投薬、テーピングなどをしますが、特別な治療法はありません。ほとんどの場合自然治癒しますが、変形した関節は元の状態には戻りません。美容上問題はあっても、機能的には問題はありません。

手首などに小さなコブがある人を良く見かけるのですが、あれは何ですか?

ガングリオンというものです。名前にガンが付きますが癌ではなく、袋の中にゼリー状の物質が詰まっている良性の腫瘤です。中には硬く、あたかも骨のような感じで、患者さんはよく骨が出てきたといわれます。20~50歳で、女性が男性より2~3倍多く発症します。ガングリオンは関節包や腱鞘の部分から発生し、多くは手の関節のまわりに発生しますが、手以外の関節、例えば膝の半月板などにも起こります。

治療方法は?

腫瘤のみで特に症状がなければ、放置しても心配はありません。大きくて気になるなどの美容上の問題とか、痛みやしびれなどがあるといった場合は整形外科を受診してください。ガングリオンを注射器で吸引し内容物を排出したりしますが、しばらくするとまた出てくることが多々あります。再発を繰り返したり、痛みやしびれなどの症状が続く場合は手術を行います。

最後に野球などでよく起こる「突き指」について教えてください。

いわゆる突き指というのは、野球、バレーボール、バスケットボールなどの球技で、ボールを受けそこなった時や転倒して指を突いた時に発生する、指の関節周辺のケガの総称です。突き指というと軽いケガと思われがちですが、靱帯断裂を伴う関節の脱臼、腱の断裂、骨折などの重症のケースがありますので注意しなければいけません。

突き指は、引っ張ると治るということを聞いたことがあるのですが、ホントですか?

お話ししたように、突き指は骨折や靱帯、腱の断裂を起こしている場合がありますので、指を引っ張ったり動かしたりすると症状を悪化させる可能性がありますので、絶対にやってはいけません。突き指をした時の応急処置は、以前もお話ししたRICEという処置です。

RRest、安静、
IIce、アイシング、
CCompression、圧迫、固定
EElevation、挙上

突き指くらいで病院に行くなんて大げさすぎると考えている方もいますが、病院に行かなくてはいけない判断基準はどんな症状ですか?

突き指の症状を見ただけで、病院に行くべきかどうかを判断するのはかなり難しいと思います。そこで、次のような状態の時は、靱帯断裂や骨折などの重症の可能性が高いと判断し、整形外科を受診してください。

  1. 指が明らかに変形している
  2. 指の関節を動かそうとすると激痛がある
  3. 指の関節を自力で曲げ伸ばし出来ない
  4. 指の関節がパンパンに腫れている
  5. 通常打撲や捻挫くらいの軽傷であれば、応急処置をした上で安静にしておれば、凡そ1~2週間もすれば腫れも引き、痛みも感じなくなるのですが、いつまでも改善しない場合は、何らかの問題があると考えてください。

まとめ

  1. 手首や指は使う頻度が高いだけに、使いすぎによる炎症が起こりやすい部分。
  2. 安静にすれば自然治癒するものもありますが、中には治療をしないと症状が悪化するものもありますので、大げさと考えず病院を受診しましょう。

関連タグ:突き指 腱鞘炎 関節リウマチ 整形外科 奥平先生 

ドクターデータ

奥平信義(おくひらのぶよし) 医師

マツダ病院 院長。 専門は整形外科で、「サンフレッチェ広島」のチームドクターを務める。
奇数月第3水曜日の「おひるーなクリニック」担当ドクター。

施設名マツダ病院
住所広島県安芸郡府中町青崎南2-15
電話082-565-5000(代表24時間対応)
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