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更年期障害について


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放送日

放送:2017年12月6日(水)
ゲスト:心療内科クリニック リュミエール 片山真一医師
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦

今日は「更年期障害について」です。
今日は、心療内科クリニック リュミエール 片山真一院長にお話しを伺います。

今回のポイント

  1. 更年期障害を避けて通ることはできないの?
  2. 更年期障害を軽く抑える方法はあるの?
  3. 病気なのか、更年期障害なのかわからない場合は?

まず更年期障害とは?

女性の体内では年齢を重ねるにつれて、女性ホルモンのバランスが変化し、その影響により生理周期が変化します。
そして、一般的には50歳近くなると卵巣の機能が次第に低下し、月経が起こらなくなると閉経を迎えます。
日本人の平均閉経年齢はおよそ50歳ですが、個人差が大きく、早い人で40歳台前半、遅い人で50歳台後半に閉経を迎えます。この閉経前後のおおよそ5年間を更年期といいます。
この更年期の時期によく見られる、ほてりや気分の落ち込みなどの症状で日常生活に支障をきたすほど重症な場合を更年期障害と呼びます。

そもそも一般的な生理周期は?

生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まるまでの期間を指します。
更年期の生理周期の変化に気付くためには、まず、自分自身の生理周期を知っておくことが必要です。
ちなみに正常な生理周期は、おおよそ周期日数:25~38日間(24日以内は頻発月経、39日以上は稀発月経)で、生理持続期間:3~7日間(2日間以内は過短月経、8日間以上は過長月経)です。
なお、正常な生理周期から外れることが続く場合は、生理不順と考えられます。生理不順は、初潮を迎えてから閉経するまで、どの女性にも起こりうるものです。

更年期の生理周期の変化は?

更年期の生理周期の変化は人それぞれですが、一般的には、まずは生理周期が短くなり、経血量が少なくなっていきます。
そのあと、今度は生理周期が3ヶ月に1回など間隔が長くなっていくことが多いといわれています。

①生理周期が短くなる(生理が早く来る)

女性ホルモンには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの種類があります。
エストロゲンにより、子宮内膜が厚くなり、プロゲステロンによってその厚い状態が維持されます。妊娠が成立しなかった場合、不要になった子宮内膜が剥がれ落ち、血液と一緒に体外に排出されるのが「月経(生理)」の仕組みです。
更年期に入ると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が少なくなり、子宮内膜が十分厚くならずにすぐ剥がれ落ちてしまうので、生理が早く来るようになります。
しばらくすると、経血量が減っていき、生理持続期間が短くなります。

②生理周期が長くなる(生理がなかなか来なくなる)

閉経が近づくにつれて、女性ホルモンの量はさらに減り、正常に働く卵胞の数も少なくなるため、排卵が起こらなくなります。
それに伴い、生理周期は長くなり、数ヶ月に1度しか生理がこなくなり、最終的には閉経を迎えるのです。
一般的に、「1年以上生理が来ない」、または「黄体ホルモン剤を投与しても消退出血が起こらない」場合に、閉経と診断されます。

更年期症状、更年期障害はなぜ起こるんですか?

女性は初潮を迎えたころから、エストロゲンなどの女性ホルモンが活発に出始めます。
脳の視床下部から下垂体を経て卵巣刺激ホルモンが分泌されると、それに卵巣が反応して女性ホルモンが分泌される仕組みになっています。
ところが、年齢とともに卵巣機能が落ちてくると、脳からの指令に卵巣が応えることができなくなり、エストロゲンを十分に分泌できなくなります。
すると、脳の脳視床下部や脳下垂体は、より多くの刺激ホルモンを分泌して、「ホルモンをもっと出せ」と指令を送り続けるのですが、衰えた卵巣は刺激を受けても「出せないものは出せない」という状態なのです。
こうなると、ホルモンのコントロールの機能が乱れて、視床下部には強いストレスがかかった状態になります。
視床下部には、ほかのホルモン分泌のコントロールや体温調節、呼吸、精神活動などをつかさどる自律神経の中枢機能もあることから、自律神経が乱れ、心身にさまざまな不調が現れるというわけです。
その典型的な症状が、火照り、発汗などのいわゆる「ホットフラッシュ」と呼ばれるものです。

更年期の症状にはどんなものが?

更年期症状の出方は、十人十色。とてもつらい人もいれば、楽に乗り切れてしまう人もいます。

・自律神経失調症状
  • 血管運動神経症状…ほてり、のぼせ、発汗、寒気、冷え、動悸
  • 胸部症状……胸痛、息苦しさ
  • 全身的症状……疲労感、頭痛、肩こり、めまい
・精神的症状
  • 情緒不安定、イライラ、怒りっぽい、抑うつ気分、涙もろくなる、意欲低下、不安感
・その他の症状
  • 運動器症状……腰痛、関節・筋肉痛、手のこわばり、むくみ、しびれ
  • 消化器症状……吐き気、食欲不振、腹痛、便秘、下痢
  • 皮膚粘膜症状……皮膚の乾燥、湿疹、かゆみ、蟻走感
  • 泌尿生殖器症状……排尿障害、頻尿、性交痛、外陰のかゆみ、膣乾燥感や痛み

ただし、更年期障害は、下記の更年期障害によく似た症状が出る病気を除外した上で診断する必要があります。簡単にですが紹介しておきます。

● ほてり→高血圧、甲状腺機能障害
● 動悸・息切れ→肥満、狭心症
● 頭痛・めまい→脳腫瘍、くも膜下出血、メニエール病
● 頻尿、残尿感→膀胱炎
● 月経の出血の量が多い→子宮筋腫
● 関節の痛み→関節リウマチ
● 疲労感、倦怠感→内臓の病気
● むくみ→腎臓病、心臓病
● 肩こり→視力低下によってメガネが合わなくなっている

こういった症状の人は、まずはそれぞれの専門の科目の病院で相談してください。

更年期障害を重症化させる要因は?

更年期のさまざまな症状は、「卵巣機能の低下」だけでなく、「環境的要因」「本人の気質」などが複雑に絡み合って重症化するといわれています。

①環境要因:ライフサイクルの変化に伴う生活環境の変化

女性のライフサイクルにおいて、40代後半~50代にかけて、精神的に不安定になりがちな環境変化があります。
例えば、自分の子どもが親元を離れてしまい、空虚な気分になる「空の巣症候群」がみられるのもこの時期です。またパートナーである夫も仕事が多忙になる年齢です。
最近は、働く女性が増えてきていることもあり、自分自身が管理職など責任のある立場にいて心理的な葛藤に悩まされている人も多いようです。
そのような事から夫婦仲の問題も起こり得る時期です。また、自分の親の介護が始まったり、兄弟、親戚に病気の人が増えたりと家族身内の健康問題も増えてくる時期です。
女性は自身の容姿の衰えなどにもストレスに感じる場合もあります。こういった様々な環境要因がストレスとなって更年期障害を悪化させると考えられています。

②心理的要因:ストレスをためやすい人ほど更年期障害が重くなる

環境要因からくるストレスに対する反応は人それぞれです。たとえストレスを感じたとしても、対処する方法がわかっており、精神的な余裕を持つことができれば、更年期障害に悩まされずに済むこともあります。そういった意味で、ストレスを感じやすい人ほど更年期障害が重くなるといわれています。
更年期障害の症状が重症化しやすい人には、幾つかの特徴がありますので、もしその条件に当てはまり、ストレスを溜めているような状況なら、ストレスの発散法を見つけて早めに抜け出すことが大切です。

・神経質な性格
・真面目すぎる性格
・頑張りやさん
・食生活が乱れている人
・睡眠時間を確保できない人

これらはあくまでも一例ですが、神経質で思いこみの激しい性格だと、更年期障害の症状は重症化しやすいということは、覚えておいた方が良いでしょう。

更年期障害の治療法は?

更年期に起こる生理周期の乱れそのものは、加齢による生理的な現象なので、基本的に治療の必要はありません。
ただし、更年期障害の症状がたくさん当てはまる場合や、当てはまる項目は少なくても特定の症状がつらく、日常生活に差し障る場合は、我慢せずに、まずは婦人科を受診しましょう。
実際の治療法としては、①ホルモン補充療法 ②漢方薬治療 ③向精神薬治療 ④精神療法等があります。

①のホルモン療法は婦人科の専門領域なので今回は詳しく触れませんが、内服薬や塗り薬、張り薬で女性ホルモンを一時的に補う治療です。詳しくは婦人科の先生のご相談下さい。

このホルモン補充療法は、ほてりや動悸、頭痛、膣・尿路症状、関節痛などには著効しますが、気分の落ち込みや不安定さなどの精神症状に対しては効果は乏しいともいわれています。そのような場合は、婦人科から心療内科や精神科への受診を勧められることがあります。心療内科では、漢方薬や、必要に応じて、抗うつ剤や睡眠導入剤を使ったり、カウンセリングのような心理療法を通じて精神症状の改善を図ります。

まとめ

  1. 「更年期」は、女性の閉経前後のホルモン分泌が乱れる期間なので、誰にでも起こりうるが、生活に支障をきたすほどの症状を「更年期障害」という。
  2. 更年期障害の症状や程度は、人によって様々なので、更年期障害とわかりにくいこともある。
  3. ストレスを溜め込まず、気分転換することが大事だが、婦人科を受診し治療することで症状が抑えられることも多いので、まずは受診することが大切。

関連タグ:ビタミン 心療内科 片山先生 

ドクターデータ

片山 真一(かたやましんいち) 医師

心療内科クリニック リュミエール 院長。
おひるーなクリニックの偶数月第1水曜日担当ドクター。

施設名心療内科クリニック リュミエール
住所広島市中区西白島町20-15 メディカルプラザ西白島1F
電話082-212-2000
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