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坐骨神経痛―腰椎椎間板ヘルニア―


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放送日

放送:2018年1月17日(水)
ゲスト:マツダ病院 奥平信義 院長
パーソナリティ:おだしずえ、井筒智彦


RCCラジオでは、隔週で水曜日「スイヨーWATCH! おひるーなクリニック」として、健康や医療に関することを専門の先生にお伺いします。
今日は「坐骨神経痛―腰椎椎間板ヘルニア―」と題してお送りします。
サンフレッチェ広島のチームドクターでもあるマツダ病院・院長の奥平信義先生にお話を伺います。


今回のポイント

  1. 座骨神経痛ってなに?
  2. 腰椎椎間板ヘルニアには、どんな症状があるの?
  3. 予防する方法は?

坐骨神経痛は昔からよく聞く病名ですが、どんな病気ですか?

坐骨神経は腰椎下部から出る人体の中で最も太く長い末梢神経で、お尻から太もも、ふくらはぎ、つま先へとつながっています。この坐骨神経が圧迫されるなどの刺激を受けることに起因する神経痛を坐骨神経痛といいますが、あくまでも症状であり、病名ではありません。その中で坐骨神経痛を起こす原因の代表的な病気が、比較的若い人に多い腰椎椎間板ヘルニアです。
このように原因を特定できる腰痛は全体の約15%程度で、残りの85%は原因を特定しにくい非特異的な腰痛です。今日はこの椎間板ヘルニアについてご紹介します。

腰椎椎間板ヘルニアとはどんな病気ですか?

ヘルニアとは、体内のある臓器が本来あるべき位置から脱出してしまった状態を指します。よく聞くのが脱腸、すなわち鼡径ヘルニアだと思います。これが腰の骨である腰椎の椎間板で起こったものを椎間板ヘルニアと呼びます。腰椎は5つの椎骨で構成され、椎骨と椎骨の間には、クッションの役割をする椎間板があります。椎間板はアンパンのような構造をしていて、アンの部分は髄核、パンの部分を線維輪と言います。その後ろには脊柱管といって神経を入れた管があり、1対ずつ左右に神経を出します。アンの一部が脊柱管の方に飛び出して、神経を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。

腰椎椎間板ヘルニアが発生しやすい部位というのがあるのですか?

腰椎は第1から第5まで5つ存在しますが、椎間板ヘルニアが最も起こりやすいのは、第4腰椎と第5腰椎の間です。次いで第5腰椎とその下の仙椎の間で起こります。

腰椎椎間板ヘルニアの原因は何ですか?

腰椎椎間板ヘルニアは、加齢と環境的な要因、遺伝的な要因が絡み合って発生すると考えられています。
椎間板は20歳を過ぎた頃から加齢によって変性し始め、弾力がなくなってきます。そこに、前かがみになって荷物を持ったり、中腰での作業を続けたり、重い物を持つなどもろくなった椎間板に強い圧力が加わることにより、椎間板ヘルニアの発症の原因になります。また、喫煙は椎間板ヘルニアのリスクを高めることが知られています。タバコを一日10本吸う人は、椎間板ヘルニアになるリスクが20%上がるという報告があります。
さらに、腰椎椎間板ヘルニアには、遺伝的な要因も関係していると考えられており、家族に椎間板ヘルニア患者がいる人は用心した方がいいでしょう。

どんな症状があるのですか?

腰椎椎間板ヘルニアの代表的な症状は、痛みとしびれです。症状が現れる場所は、どの部分の椎間板が飛び出して、どこの神経を圧迫しているかによって変わってきますが、多くの場合は腰痛に加えて、お尻や太もも、膝から足首、足先などの痛みやしびれを感じる「坐骨神経痛」を伴います。通常は片側の症状ですが、ヘルニアが脊柱管の真後ろに飛び出し、両側の神経根を圧迫すると両側に症状が出ることがあります。また、神経が麻痺を起して、親指や足首を持ち上げたり、歩いたりしづらくなることもあります。さらに重症化すると、排便や排尿が障害される膀胱直腸障害を起こすことがあります。

腰椎椎間板ヘルニアを調べる検査にはどういったものがありますか?

腰椎椎間板ヘルニアの診断で最も大切なのは、診察した時の所見です。
下肢伸展挙上テストといって、膝を伸ばしたまま下肢を挙上し坐骨神経痛の出現を見るテストや下肢の感覚が鈍いかどうか、足の力が弱っていないかどうか等の神経学的な所見で大体の診断がつきます。その上で、椎間板や神経を写し出すMRI検査でヘルニアの部位や状態などを判断します。さらに必要に応じ、CT検査や脊髄造影などが行われます。一般的なレントゲン検査では椎間板ヘルニアは見えませんので、椎間板が狭くなっているか、骨や関節の変形があるかどうかなどを参考にします。

治療について教えてください。

椎間板ヘルニアの治療は、保存療法で改善するケースがほとんどです。痛みが強い時には、安静を心がけ、コルセットをつけたりします。また、消炎鎮痛剤の内服や坐薬、神経ブロックを行い、痛みを和らげます。症状が軽くなれば、出来るだけ早く通常の生活に戻ることが良い結果になります。

手術が必要になるのはどんなケースですか?

保存療法を2~3ヶ月続けても効果が得られない場合や、仕事の内容やスポーツ選手であるなどの事情で、急いで症状を取りたい場合は手術が考慮されます。特に、排便・排尿障害が出てきた場合は早急に手術が必要となります。

椎間板ヘルニアで自然に治るケースがあると聞いたのですが?

椎間板ヘルニアで手術になるのは20%程度で、多くの場合ヘルニアは自然に治癒すると言われています。その中でも、ヘルニアが椎間板の後ろにある靭帯を突き破って脊柱管内に遊離しているような状態であれば、白血球の一つで大食細胞と言われるマクロファージが、ヘルニアを異物とみなして食べてしまいます。ですからヘルニアは無くなり、自然治癒してしまうのです。

ヘルニアがあっても症状が出ない場合もあるのですか?

最近の研究では、椎間板ヘルニアを持っている人の方が、持っていない人より多いと考えられています。しかし、椎間板ヘルニアがあるだけでは症状は起こらず、症状のある人はごく一部と考えられています。
症状が現れるのは、椎間板ヘルニアに他の要因が加わった場合で、神経への圧迫の強さ、仕事上の満足度の低さ、そして、うつ・不安・ストレスなどが考えられています。このうち、うつ・不安・ストレスなどの精神的要因は、症状を長引かせ、慢性腰痛の要因にもなります。

ドクター
そこで博士に問題です。以前ぎっくり腰の話をした時、脳のある部分を刺激すると腰痛が改善すると言いました。ではその脳の部分はどこでしょうか?
はかせ
ええ?覚えてません~。テストに出るって言っておいていただかないと…。

側坐核は鎮痛物質を働かせ、痛みを抑える命令を出すところですから、ここを刺激し、活性化させると腰痛が改善してくるというわけです。更にはドーパミンというホルモンを出してやる気も起こさせます。
活性化するには、側坐核は快楽と強く関連する場所ですので、自分の好きな食べ物や音楽、においなどを積極的に取り入れたり、手足を動かして脳を使うという、心身ともに行動することがいいとされています。

どんなことに気をつけて予防すればいいですか?

姿勢に注意して、腰への負担をなるべく軽減することが大切です。
物を持ちあげる時はしゃがんでから、ゆっくりと持ちあげることです。
適正体重を維持することです。
筋肉をつけることも大切で、特に腹筋や背筋を鍛えることです。

まとめ

  1. 坐骨神経が圧迫されるなどの刺激を受けることに起因する神経痛を坐骨神経痛という
  2. 痛みだけでなく、しびれるような感覚を伴うことが多い。
  3. 安静にしていれば自然治癒することが多いが、痛みが長引く場合は手術となる。
  4. 姿勢に気を付け、腰に負荷がかからないように工夫すること、適正体重を保つことが大事。

関連タグ:ランニング  整形外科 奥平先生 

ドクターデータ

奥平信義(おくひらのぶよし) 医師

マツダ病院 院長。 専門は整形外科で、「サンフレッチェ広島」のチームドクターを務める。
奇数月第3水曜日の「おひるーなクリニック」担当ドクター。

施設名マツダ病院
住所広島県安芸郡府中町青崎南2-15
電話082-565-5000(代表24時間対応)
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