子宮頸がんの治療について


放送情報

放送日:2017年11月24日(金)「おひるーな」
ゲスト:新甲さなえ女性クリニック 新甲さなえ先生
パーソナリティー:吉田 幸、フランソワーズ

放送内容

RCCでは現在、若い女性に多い病気「子宮頸がん」の検診啓発を推進する「Keep Smile 輝きの一歩 子宮頸がん啓発キャンペーン」を行っています。
子宮頸がんは、公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2016」によると、全国で年間12,100人がかかり、3000人が亡くなると推計されています。
発症する時期も特徴で、20~30代という若い世代でも発症するがんになります。原因の多くはHPV(ヒトパピローマウィルス)というありふれたウィルスの感染で、女性なら誰でも発症する可能性があります。しかし、定期的に検診を受ければ、がんになる前に発見することもできるので、早期発見によって治る病気です。
そんな「子宮頸がん」について正しく知り、病気を防ぐために大切な検診を呼びかけていきます。

今回は治療について教えて頂きたいのですが…。
がんになる前の状態から治療できる、ということですが、検診ですぐに異常が分かるものですか?

まず検診は、子宮頚部の細胞を専用の器具でこすり取って、顕微鏡で正常な細胞かどうかを見る“細胞診“という検査が行われ、1~2週間後に結果が分かります。
異常が見られた場合は、さらに精密検査が必要となります。異常がなければ、1~2年後に定期健診をすればOKです。

検診で“異常がある“という状態は、まだ「がん」とは限らない?

子宮頸がんと診断される前に、「異形成」の疑いと判断される場合があります。正常な細胞からゆっくりと変化が始まりやがて癌になりますが、その過程を異形成と呼びます。異形成には、軽度、中等度、高度の3段階あります。

異形成でも治療が必要ですか?

軽度、中等度は、基本的に経過観察です。
高度の異形成や上皮内がん、ごく初期のがんは、詳しい検査や治療が必要になります。高度の異形成や、ごく初期のがんでは、精密検査と治療を兼ねて小範囲の手術を行い、病変ごと全部切除されていれば、その後、再発・残存する心配はありません。



最初の検査結果で、「異形成」と診断されても、あまり不安になる必要はないんですね。

軽度や中等度の異形成ですと、免疫力でHPVを排除し、正常細胞に戻ることが多いです。ただ、それも検診を受けて観察しているから、正常に戻ったことを確認し、安心できるのです。

もし、精密検査で子宮頸がんと診断された場合、どんな段階(ステージ)があるのでしょうか?

子宮頸がんは、0期~Ⅳ期までの進行期に分けられます。

子宮頸部には、表面を覆う上皮細胞があり、この上皮内にがんがとどまった状態の、0期(上皮内がん)で見つかる場合が約半数です。

上皮内がんが徐々に、基底膜下に入り込んでいくと、浸潤がんと呼ばれ、進行すると、骨盤壁や、膀胱、直腸などへも影響します。

がんになった場合、どのような治療が行われますか?

手術、放射線療法、抗がん剤治療があり、組み合わせて行われる場合もあります。
がんの進行期、年齢、健康状態によるが、出産の希望があれば子宮を残す治療法もあります。

初期なら子宮頸部を部分的に切り取る子宮頸部円錐切除術で、ほぼ治癒し、妊娠も可能です。ですが、1期以上は子宮摘出が必要な場合が多く、妊娠が難しくなってきます。

初期で発見できたら将来、妊娠することも可能なんですね!再発の可能性はありますか?

術後の検診は必要ですが、初期の再発の可能性は少ないです。進行がんの場合、骨盤内に再発したり、リンパ節や肺、肝臓、骨などに遠隔転移することもあります。そのため、治療後にも定期的な診察・検査を受ける必要があります。

とにかく、検診で早めの段階で発見することが大切ですね。
万が一検査で初期の異常があっても、経過観察中に、自然に治ることも多いと伺いましたね。

はい。自然に治るものもありますが、中には進行するものもあるわけですから、まずは検診を受けていただきたいですね。そうすれば、異常があれば経過観察によって自然に治るのを見届ける、自然治癒しない場合には、早期段階で手術どの治療を行うことができるので、進行がんになることを防ぐことができます。

持続的に感染し続けた場合、数か月から数年の間に、前がん状態になります。そこからガンになるのは約10年後。全感染者の1000分の1くらいの割合です。
悪い結果が出たらどうしようと怖がらずに、まずは検診を受けてもらいたいです。


[2017/11/24 更新]